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イベントレポート2016/11/9

第6回 コンプライアンスセミナー

CTCライフサイエンス株式会社(以下、CTCLS)は、2016年11月9日(水)、東京都千代田区のフクラシア東京ステーションで、「第6回 コンプライアンスセミナー」を開催しました。
2007年、CTCLSは法規制化合物チェック支援システム「RegSys」と試薬管理システム「RAKTIS」を販売開始後、毎年同システムをご導入いただいたお客様向けに「ユーザー会」を開催し、今後のシステムバージョンアップ/対象法令拡充の方針の発表や、お客様同士が運用課題についてディスカッションする場を設けて参りました。近年は、RegSysの導入を検討されているお客様より、導入済みであるユーザー様の運用事例など生の声が聞きたいという要望を多く受けておりました。そこで数年前よりCTCLSは、ユーザー様とRegSys導入を検討されているお客様が一同に会する「コンプライアンスセミナー」を開催してきており、今回はその第6回となります。
今回のセミナーでは、史上最多の定員60名を超える方が来場され、大盛況のうちに終了致しました。また、懇親会にも多くの方が参加され、活発な意見交換を行うなど親睦を深めました。

法規制化合物チェックシステムRegSysのご紹介

登壇するCTCLS松本 智気

講演者
CTCLS 営業・技術本部 技術開発部 技術第3課 松本 智気

CTCLSでRegSys技術担当の松本が、近年の化学物質に対する規制強化に至った社会的背景・課題について解説し、またそのコンプライアンス対策として有効となる、法規制化合物チェック支援システム「RegSys」を紹介しました。

昨今の化学物質を用いた犯罪・事件の多発や危険ドラッグの氾濫などを背景に、行政は法整備や取締強化に乗り出し、指定薬物に関する法令改正の頻度はますます高まっています。過去には、一度の法令改正で800件以上の指定薬物が追加され、更にその法令改正の通知から10日後に施行されたケースもありました。そのため、化学物質を日常的に取扱う製薬会社始めライフサイエンス業界にとって、化学物質に対する規制強化による影響は大きく、コンプライアンスに関わる業務負荷は増す一方となっています。

そうした課題に対し、RegSysは化学物質のコンプライアンスを最大限に支援するシステムです。CTCLSは2007年にRegSysを発売開始して以来、先に述べた社会的背景も相まって、現在は27社(機関)まで導入が拡大しました。最大の特長は、規制物質の化学構造式を辞書データとして保持しているため、自社で保有する化合物や試薬の化学構造式を照合させて、法規制チェックできる点です。これは従来の、表記揺れに左右されてしまう化合物名称やCAS番号などによる、網羅性が疑問視されていたチェック方法の弱点をカバーする強みと言えます。
また、RegSysは様々な業務の活用シーンに柔軟に対応できる、複数のインターフェースを提供しております。
先ず一つ目の「Web型」インターフェースでは、研究者はRegSysのWebブラウザー画面で対話形式により、化学構造式を描画すればすぐに判定結果が得られます。次に「Application型」は、ライブラリー化合物や法令改正時の遡及対応など大量化合物を一括して法規制チェックする管理者向きインターフェースです。三番目の、各種システムと連携可能な「WebAPI型」インターフェースを活用すると、試薬管理システム「RAKTIS」や電子実験ノート「BIOVIA Workbook」など他システムと連携できるため、試薬登録時や合成計画策定時などより幅を広げたコンプライアンス対応が可能になります。今後もCTCLSは、国内のユーザー様からのご意見やご要望に基づいた製品開発を行い、ユーザー様向けに法令改正公布時やパブリックコメント開始時に、最新の法令を反映させた辞書配信などのメンテナンスサポートを提供していきます。

RegSysの詳細はコチラ

試薬管理システムRAKTISのご紹介

登壇するCTCLS 内田 学

講演者
CTCLS 営業・技術本部 技術開発部 技術第3課 内田 学

このセッションでは、化学物質のコンプライアンス強化の流れにおいて重要となる試薬管理システム「RAKTIS」利用の背景や、2017年にリリース予定である、次期バージョンRAKTIS 5.0の新機能について発表しました。

研究開発業務で使用される試薬は、試薬メーカーが販売前に試薬の法規制チェックを行っているため、コンプライアンス上問題がないという前提のもと、製薬会社は試薬を購入しているのが一般的でした。しかし、試薬メーカーによっては、実施している法規制チェックは品目やCAS番号だけで行われており、その網羅性が十分といえないこともあります。そこで製薬会社でも、試薬の購入前から試薬の組成情報を把握し、各組成について化学構造式ベースで、指定薬物に該当しないか確認することが重要になってきています。また、購入当時に問題がなかった試薬でも最新の法令では問題となるケースもあるため、試薬を購入・使用・所持する製薬会社でも継続的な試薬へのコンプライアンスの仕組み作りが求められています。CTCLSが提供するRegSysにRAKTISを連携したシステムを利用することで、自社化合物だけでなく試薬のコンプライアンスが強化されます。

次期バージョンでは、キット品のより正確な管理が可能になるなど、利便性を大幅に向上させる多くの機能が搭載されます。

RAKTISの詳細はコチラ

ユーザー講演1:帝人ファーマにける法規制対応 ~法規制チェックシステムRegSys導入~

登壇する帝人ファーマ株式会社
嶋田 朋嘉 様

ユーザー講演
帝人ファーマ株式会社 生物医学総合研究所 創薬化学研究所 創薬化学基盤技術グループ
CADD/ITチームリーダー 理学博士 嶋田 朋嘉 様

帝人ファーマ株式会社(以下、帝人ファーマ)の嶋田様より、RegSysの導入・運用事例についてご講演いただきました。本ご講演では、過去10年以上にわたり、帝人ファーマが取り組んできた様々なコンプライアンス強化の施策の中で、RegSys導入がもたらした効果についてお話いただきました。

帝人ファーマでは、試薬や自社合成化合物などについて、MDL社ISISや自社独自に作成した法規制辞書のデータベースによる法規制チェックを行っていました。しかし高まる法令改正の頻度により担当者の負荷も増大していきました。そこで、電子実験ノート「BIOVIA Workbook」と法規制化合物チェック支援システム「RegSys」の連携システムを導入し、合成予定化合物や試薬について網羅的な法規制チェックが行えるようになり、辞書更新などの作業負荷が低減し、合成前の確認漏れが防げ、コンプライアンスがよりいっそう強化されました。

本ご講演では、帝人ファーマが試行錯誤したコンプライアンス対策の具体例から、各種ITシステムを同社の業務ワークフローに組み込んだ運用例まで詳しくお話いただき、大変興味深いセッションとなりました。

ユーザー講演2:後発品メーカーにおける導入事例 ~システム導入から変更の経験~

登壇する沢井製薬株式会社
田中 祥之 様

講演者
沢井製薬株式会社 生物研究部 生化学グループ グループマネージャー 田中 祥之 様

沢井製薬株式会社(以下、沢井製薬)の田中様より、試薬のコンプライアンス向けに導入した、RegSysとRAKTISを連携させたシステム(以下、RegSys/RAKTIS)の運用事例についてご講演いただきました。

沢井製薬は国内最大手のジェネリック医薬品メーカーです。
。ジェネリック医薬品メーカーの特性上、取り扱い品目が多く、年間で多くの開発が進行しているのが特徴です。そのため、化学系から生物系まで取り扱う試薬の種類も多く、そのコンプライアンス対応の業務も複雑なため課題となっていました。2006年の新大阪への研究所移転を契機に、試薬のコンプライアンス対応に向けたITシステムの導入を本格的に検討し、様々な取り組みを経て、現在はRegSys/RAKTISが安定稼働しています。

ご講演では、ジェネリック医薬品メーカーならではの試薬管理やコンプライアンス対応の難しさ、また田中様がシステム導入を推進された際に苦労した点など具体的にお話いただき、大変興味深いセッションとなりました。

ベンダーセッション: CTCLSより最新ソリューションのご紹介 ~「Box」エンタープライズ・コンテンツ・コラボレーション・プラットフォーム~

登壇するCTCLS 林沼 勝利

講演者
CTCLS 営業・技術本部 技術開発部 技術第8課 林沼 勝利

近年CTCLSが注力するビジネスの一つとして、法人向けコンテンツマネジメントプラットフォーム「Box」について発表しました。Boxの製品概要始め導入実績、創薬研究開発業務での利用イメージについて紹介しました。またデモンストレーションも行いました。

Boxは、企業や組織が素早く結果を出すためにワークスタイルを革新し、次世代のコラボレーションを実現するクラウドのコンテンツ情報共有サービスです。全世界でBoxは4,000万人以上、66,000社以上の企業に導入されており、また昨年から今年にかけて国内の製薬会社で導入が相次いでいます。
近年、製薬会社は共同研究先や外部委託先などとの外部連携が増えていますが、その際に機密情報を含む、SDファイルなどの化学構造式情報や各種アッセイ結果のデータを共有する機会は少なくありません。そこで、きめ細かなアクセス権限が設定でき、全ての操作のログが残るBoxを利用することで、セキュアな情報共有が行えます。また、試薬メーカーと試薬カタログをメールでやり取りする場合には添付ファイルに容量制限がありましたが、Boxでは容量が無制限でファイル共有が可能なため、スムーズな連携を支援します。
CTCLSでも、RegSysのユーザー様に最新の辞書をデータ配信するプラットフォームとしてBoxを活用しています。ユーザー様がアクセス可能なフォルダを設定し、適切なアクセス権限(ダウンロード・プレビューのみ可能とし、アップロードや編集は不可)を付与しているという、セキュアな配信が行えています。

Boxの詳細はコチラ

ベンダーセッション:CTCLSより最新ソリューションのご紹介 ~「Mosaic」統合サンプル管理システム~

登壇するCTCLS 島 史絵 課長

講演者
CTCLS 営業・技術本部 技術開発部 技術第3課 課長 島 史絵

セミナーの最終セッションでは、2016年秋より正式に販売開始したtitian社統合サンプル管理システム「Mosaic」について、同製品の技術責任者の島より製品紹介を行いました。

Mosaicは、製薬会社の低分子化合物や細胞、DNAなど多種多様なサンプルを取り扱う研究者の業務を大きく支援するシステムです。各種メーカーの自動倉庫、分注機、電子天秤との連携モジュールを利用することで、Mosaicからこれらの機器を直接制御できるようになるため、業務負荷を軽減します。
このほかMosaicは、在庫管理始め出庫依頼、試験依頼、機器自動連携、サンプル準備ワークフロー、発送管理など利便性の高い機能が充実しています。近年製薬業界でもグローバル化やバイオ医薬品へのシフトが進んでおり、取り扱うサンプルの種類や業務が多様化しています。こうした背景により、サンプル管理の効率化がより求められてきており、CTCLSが取扱い開始して間もなく多くのお客様から引き合いをいただくなど、そのニーズの高さがうかがえます。
CTCLSはMosaicのライセンス提供だけでなく、20年以上にわたり創薬研究業務のシステム提供で培った経験を生かし、MosaicにRAKTISを連携させたいといったお客様の業務に即したご要望に応じ、最適な構成のシステムを提供します。

プレスリリース「CTCLS、製薬会社向けサンプル管理システムを提供開始」はコチラ

Mosaicの詳細はコチラ

製品紹介ページ

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