KOLの特定:ブランド担当者が探すキーオピニオンリーダーは誰か?

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2020.11.13

※NetBase Quid社Mike Baglietto氏が寄稿した「KOL Identification: Key Opinion Leaders Brands Should Pay Attention To」を意訳した記事です。

AIを活用したテキスト解析エンジンQuidによりキー・オピニオン・リーダー(KOL)の特定ができれば、貴社のブランドに対して即戦力となる様々な情報が得られます。これらの情報は消費者市場での競争においてとても重要です。

ブランド担当者が注目する対象として「消費者行動」が多くあげられます。消費者の購買意欲が、消費者を直接の購買対象とする(D2C)企業に向き合うなかで、購買行動に関係する「会話」を誰がどのように発信しているのか?を把握することが重要です。これからその方法を説明して行きます。KOLの特定作業はブランドが消費者の行動を把握するための最初の手順です。どのように把握していくのかを見て行きましょう。

KOLとは何者か、なぜ重要なのか?

キー・オピニオン・リーダー(KOL)とは、特定の市場分野におけるリーダー的な存在です。主な出版物に掲載されている記事で引用されることが多く、その業界では有名な人物です。KOLは業界に長く業界のことを熟知している、という確固たる評価をされています。オピニオンリーダーから賛同を得られるとブランドは注目を集めることが出来ます。

インフルエンサーによるブランドへの影響力

多くのCPG(消費財)ブランドは、面白く魅力的な商品や情報を提供することでニッチな市場を獲得して行きます。例えばP&GはTikTokのインフルエンサーと一緒に#DistanceDanceを作って同社サイトのZ世代の利用者に家に居ることを促しました。またFruity Pebblesは、アーティストを応援しながら、親が子供たちを飽きさせないような取り組みをしています。同社のサイトDaily Yabba Dabba Doo! に選ばれたアーティストが自作のアイテムを紹介する短いビデオを作成した場合に1,500ドルが支払われます。

ここでは、ブランドの視聴者に対して魅力的なアイデアを持つことが鍵となります。消費者の嗜好と認知度を高めるために、ダイレクト・ツー・コンシューマー(D2C)アプローチを採用しているブランドを多く見かけるようになりました。この場合、売上を意識することはありませんし、すべきではありません。売上を偏重すればD2Cの効果を軽視してしまうことになり兼ねません。
デジタルシェルフ研究所の報告書によると、2015年から2019年の間に33億ドルがD2C消費者向けのパッケージ商品に投資され、この期間の全投資資金の60%近くを占めた事実は特筆すべきです(60%も、です!)。さらにこの傾向は2020年には大幅に拡大すると予想されています。

さっそくKOLを探してみましょう。

KOLの「会話」で有用なものと無用なもの

自社ブランドへの有益な会話(クチコミ)を認識して分析する能力があるかどうか?が、成功と失敗の分かれ目になります。テキスト分析を使用して可視化された以下会話のクラスタでは、CPG(消費財)ブランドにとって核心的で有益なニュースやブログが見えてきます。

CPG-Network-Map

私たちは、消費財市場のリーダー的企業が吸収合併を行い、それが収益予測に影響していくことを知っています。この話は後で述べますが、有名な(大麻の関連用語である)CannabisとHempの議論のように業界で知られています。

次に人工知能(AI)技術とサプライチェーン・マネジメントに関してですが、5Gの日常生活への導入が身近に迫っていることもあり、テクノロジーの進歩に伴ってこれらが成長を続けることは間違いありません。AIはそれ自体も急速に進歩しており、CPGブランドに日々変化とチャンスを与えています。

それぞれのクラスタは、魅力的なものだけに焦点を当てることなく、平等に有益な情報を提供してくれます。例えば商品のパッケージのように、意外なものがブランドの良し悪しを決めることもあります。

CPG-packaging-conversations

「会話」の隅々まで探っていくと、消費者が、ブランドがアピールしていることよりも、第3者がこのブランドについて語ることの方を信頼している事実が見えてきます。インフルエンサーの時代、さらに信頼できるオピニオンリーダーを期待する時代が到来しています。重要なことは、この2つの消費者を誘導する者(KOLとインフルエンサー)は同じものではないということです。

KOLとインフルエンサーは同じではない

どちらもネット上で影響力のある存在であることは判っていますが、KOLとインフルエンサーは具体的に何が違うのでしょうか?

多くのKOLは業界のリーダーで、ニュースやブログで引用されたり報告されたりしています。彼らは特定分野での専門知識を持っていますが、彼らの「本来の仕事」は影響力を与えることではありません。彼らの影響力は、彼らの専門知識やスキルの副産物なのです。主要なオピニオンリーダーが有償でプロモーションコンテンツを掲載することは彼らの信頼性を損なう可能性があると考えられるため、ほとんど見かけることはありません。KOLは物事をレビューすることはありますが、それはスポンサーの要請によるものではありません。むしろ、彼らは専門家としての意見を提供することでコミュニティにおける自らの地位を高めようとしています。

一方、インフルエンサーは影響力を持つため日々努力をしており、オンラインでの彼らの主な役割はそれが仕事であるかのように振る舞うことです。インフルエンサーはスポンサーのコンテンツを掲載し、スポンサーから報酬をもらって提供された情報を掲載します。インフルエンサーは当該分野の専門知識を持っているかも知れませんし、その専門知識ゆえに業界で認められている者かも知れませんが、結局、彼らの仕事の目的は「オンライン上で影響を与える」ことにあります。

ブランドの担当者は協働ができそうなインフルエンサーを知る必要があり、またKOLのオンライン上での声を傾聴する必要があります。ブランドの担当者はKOLに認知をしてもらうために、ネットワーク技術を駆使してKOLに真摯で価値のある情報を見せる必要があります。

そして、ブランド担当者がこのアプローチを行う前に、声の主が誰なのか?どのように読者(やライター)と共感しているのか?そして「会話」の量はどれくらいあるのか?をしっかり把握しておく必要があります。これら情報はすべてQuidで得ることができます。

話題にあがるKOLの特定

私たちはすでに大まかにCPG(消費財)に関する「会話」を把握しています。これをフレームワークとして使用し、Quidでフィルターをかけることで、文脈に合った各クラスタで最も多く話題に上がっている「人物」を特定することができます。

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ドロップダウンメニューをクリックしてデータをエクスポートし(吸収すべき情報が大量なので)データからピボットテーブルを作成することもできます。Quidには、ピボットテーブル(vis .csvをダウンロード)を使っている間もデータをソートして探索するための様々な方法があります。

スナップショットを使って、KOLが話題にあがっている情報や出版物の種類を確認することができます。

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もう一つのQuid製品の機能は、クラスタや主な会話の感情のスナップショットとの組み合わせを提供する機能で、ストーリーの公開回数だけでなく、これらのストーリーが消費者にどのくらいの影響を与えているか(ソーシャルエンゲージメントの軸)を把握することができます。

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クリックして各ノード(泡状に見える点)の情報を見ることで、カテゴリーやKOLについての詳細を知ることができます。これらの機能を以下でいくつかご紹介します、操作に精通している人なら誰でも簡単に利用できる広範な機能が利用できます。

CPG(消費財)に精通するKOL

クラスタリストのトップに出てくる会話ではありませんが、消費者ブランド協会(以前は食料品工業会[GMA]として知られていた)の会長Geoff Freeman氏がGMA&CPGで語り続けていることがあります。

彼はマーケティングの経験を通じて包装からリサイクルまでについて論じ、現在の不十分なリサイクルシステムに警鐘を鳴らしています。3つのRに関しては、各州が独自の手法を持っているために消費者の間で混乱とフラストレーションが生じています。米国環境保護庁によると、米国で実際にリサイクルされているリサイクル可能なプラスチックはわずか9%に過ぎずCPGの市場はすぐに困難に直面するだろう、と彼は主張しています。「リサイクルが失敗すれば、さまざまな種類の包装を禁止する動きが増えることは間違いありません。禁止は間違ったアプローチですが、これが現実です」と。

そして、緑化運動がミレニアル世代とジェネレーションZの心を掴んだのは、彼がGreenのことだけを語っているからではありません。上記のソーシャルエンゲージメントのクラスタで見られるようにGeoffのコメントはとても賢明なものだと思われます。

そして「Green」は、関連性が高いCPGのトップカテゴリーである「CannabisとHemp」を筆頭に、存在感を示しています。ここにはKOLのリーダーでGreen Thumb Industries(GTI)の創設者兼最高経営責任者であるBen Kovler氏がいます。

全てが「Green」に

医学的な研究が進むにつれCannabisとHempは、できるだけ自然でありたいと考える消費者の間で支持を得ています。従来の医療に対する嫌悪感が急速に高まっており、多くの消費者が健康的で手頃な価格の代替品を求めているためにCannabisとHempが有望になっています。業界の革新者であるGTIは、13の製造施設を持ち、米国の12の市場で96の小売店とオペレーションのライセンスを取得しています。彼らはCannabisをレクリエーション用から美容と癒しの分野へと発展させ、総合的な健康に欠かせない製品としての地位を確固たるものにしています。

Hempについては、もちろんBen's以外にも多くの声が寄せられています。Quid製品では、特定のCPGの会話の中から、CannabisとHempのKOLをキーワード別に分類することができます。データはブランド担当者が希望すれば詳細をソートすることができ、Quidと前述のピボットテーブルの活用で簡単にエクスポートが可能で、詳細な調査ができます。

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Hempはまたブランド提供者の90%が、パッケージが成功に不可欠な要因であると認めているように、パッケージを商品戦略に組み込むことが非常に重要だと教えてくれています。Akshay ShahとThilo Henkes (おそらく皆様がご存じのオピニオンリーダーと、包装の専門家の2名)についてですが、L.E.K.コンサルティングのマネージングディレクターであり「2019年ブランドオーナーパッケージング調査」の共著者でもあるHenkes氏が、消費者がパッケージングに求めるものとして「より健康的な製品の紹介」に焦点を当てているのに対して、Shah氏はパッケージングの「Greenな側面」に焦点を当てています。

持続可能性と循環型経済運動分野のリーダーとして台頭してきたShahは、廃棄物を減らし、製造工程での再利用とリサイクルを促進することに専念しています。

最後に、CNBC Mad MoneyのキャスターであるJim Cramer氏は、醜い真実を隠そうとはせずオピニオンリーダーとしての考えを述べています。市場に混乱が生じたとき、Jimの意見が投資判断のきっかけになることがあります。

CPG市場が期待する昨年以降の真実が見えています。"企業が低迷し始めると経営者は通常、消費者向けの安定したパッケージ商品に資金を投入しますが、これは経済が減速している局面でも安定した商品が業績を上げる傾向があるからです。信頼できるKOLのアドバイスを追求しマーケティング戦略に取り入れることで、CPGブランド全体がこの大局面を乗り切るために、より大きな力を発揮したりある種の警鐘を発したりすることもできます。

貴社ブランドに関する特定の検索条件(自在に細かく設定することが可能です)で各クラスタを探索することで、貴社ブランドの可能性を広げビジネスを安定させることが出来ます。ブランドが大きな波を乗り越えて行けるように、誰がブランドを見ていて、道標を見つけて導いてくれる人が誰なのかを知ることで、ブランド担当者はオピニオンリーダーの失敗から学ぶことができ、彼らから成功へのヒントを得ることが出来ます。消費者へのメッセージを、いつどのように発信すべきか?を知らないとビジネス上のリスクは高まります。

私たちQuidは、最適な場所と最適なタイミングで、貴社ブランドの成功を実現する方法をご提供します。

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