ホワイトスペースの見つけ方とその活用法について(ホワイトスペース:ビジネスモデルの「空白地帯」)

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2020.10.09

※NetBase Quid社Carol Feigenbaum 氏が寄稿した「How To Identify White Space & What To Do With It」を意訳した記事です。

ブランド成長戦略上の「次の一手」は、話題には上がっていても、すぐにはわからないような意外な場所で見つかることがあります。ソーシャルメディアを正しく分析することで、この「次の一手」に関わる「ホワイトスペース」が見つかり、それをどう活用するのが良いのか?を知ることができます。

自分が知りたいのは正しい解決策だけだという方もおられるでしょう。ですが適切な「ソーシャルリスニング」を行っていれば新しい「機会」を見つけて解決策を導くことができるのです。以下がその手順となります。

  • ホワイトスペースの見つけ方と、それが何を意味しているのか?を理解する
  • ブランド成長への新たな「機会」を見つけるための「競合情報分析」を理解する
  • 消費者やブランドの課題解決のために「ソーシャルリスニング」を活用する

ホワイトスペースに関連して、統計情報から得られたことをご紹介します。

  • 2014年以降、食料品のデジタル注文はレストラン内での食事に比べて3倍のスピードで成長している
  • 消費者は1日平均で2時間24分をソーシャルメディアの閲覧に費やしており、彼らが何について話しているのか?を知ることがビジネス成長の鍵となる
  • たった1つのネガティブレビューでブランド顧客の30%が離れていく可能性があるため、ソーシャルモニタリングは極めて重要

「ホワイトスペース」とは何か?

「機会」の同義語と称される「ホワイトスペース」には多くの定義がありますが、その最大の目的はブランドの成長戦略が取るべき「有効な次の一手」を見つけることにあります。「ホワイトスペース」はまた、新規顧客を発掘しリスクを察知するための「道しるべ」とも考えられます。

例えば、ある業界の変化を見てみましょう。この半年間で多くの業界、特にフードサービスや小売業が、非接触型の取引に対応するため大きな変化に順応をして来ました。多くのブランドが事業機会を見つけて活用しました。ブランドの多くは苦戦を強いられましたが、いくつかのブランドは持続可能なビジネスモデルを見つけて成功を手に入れました。経済が回復期に入った今、これからも多くの機会が発見されていくでしょう。

これらホワイトスペースはどこにあるのでしょうか?それを知るためにはどんな「会話」がされているのか?を知る必要があります。そのために我々は「マーケット情報分析」を活用しています。レストランを中心とした「会話」の変化(下図)は、過去6ヶ月間のトップディスカッションとその変遷を表しています。

例えば、急成長している新しいレストランを探索するための分類であるThe New Eatingは、2月頃にはトップトークでしたが、その後は縮小して「ダイニングプロトコルと屋外での食事体験」についての分類であるRestaurant Dinersに抜かれてしまいました。

Timeline Stories

この変化を見ますと、人々の思考が原点回帰してきたものと思われます。

分析の進め方が分かってきましたら、トップカテゴリーでのいくつかのレイヤーを除外して行き、その中に隠れているホワイトスペースを見つけていきましょう。

機会の発見と競合情報分析について

至る所で店舗が再開店されており、一方これらの再開店が不安定であることもわかっていますので、「会話」の中身が具体的に何を示しているのか?を理解することが必要です。 ブランドについては、語られていることと語られていないことの双方に細心の注意を払う必要があります。私たちの点描図(下)は、最も成長していた時よりも前の時点の状況を示しています。 さらに深堀りをしていくと、飲食店や食堂の世界で何が起こっているのか?をより詳しく知ることができます。

「アウトドアダイニング」は、公表数と浸透率の両方で高く評価されています。これはメディア側の注目度(掲載された数)と消費者側の注目度(社会に認知浸透している度合い)の両方で認知されていることを意味しています。

社会に認知浸透している度合いが低く、公開数が多いのは、Five New Restaurantsの分類です。 話題性は高いのですがこれは「機会」でしょうか? これらをフードデリバリーアプリのシェアと関連付けて考えることで、あなたのブランドに何らかの良い影響を与えるかもしれません。 その理由を考えて行きましょう。

This Scatterplot reveals white spaces in the conversation

深く掘り下げて行きますと「食事体験」に関係する詳細な「会話」が見えてきます。ある記事が際立っています“Helping Restaurants Adjust to Their New Tech-Based Reality:レストランを最新のIT技術で再生する”すなわちオンライン注文から音声ガイドによる食事体験まで-例えばこれらがあなたのブランドの将来像になるのではないでしょうか?

Fine-tuning Your Market Research

これら記事は、ヒントを与えてくれるだけではなくパンデミックが引き起こした技術革命がレストラン業界にしっかりと根付いていることを示しています。今回のパンデミックが引き起こした技術革命の傾向は本物と言えるでしょう。

How Technology Will Support the Future of Restaurants

QuidのContent Strategy機能で「テクノロジー」と「外食」の関連性をみて見ましょう。Technology、Amazon、Velocity Technologyなどの関連するトッププレイヤーの中身が見えてきます。 NPDの副社長であり産業と食品アドバイザーのDavid Portalatin氏が長い間話題に上がっていたのがわかります。

Content Themes – Restaurants & Tech

Davidは食の未来が技術革新に委ねられていると確信しています。これを裏付ける統計情報があります。5月以降、レストランのオンライン発注は138%増加し、この領域では2014年以降、店内での発注に比べて3倍の急成長をしています。また、特筆すべきことは「技術革新がデリバリに関するものだけではない」ということです。 例えば高級ダイニングは最新技術を駆使して、消費者に斬新でエキサイティングな食事体験を提供しています。

Lifestyle / Food & Drink

バーチャルリアリティから音声ガイドまで、レストランでの食事体験に関する話題がとても豊富で「オーダーとデリバリ」に関する話題を凌いでいることがわかります。 あなたのブランドはどこに向かっているのでしょうか?消費者の反応はどうでしょうか?

消費者の懸念事項の解決方法

どんな業界であっても防御策を考えておくことは必要です。一方で消費者の「感情」について敏感になることもまた重要です。 消費者のフィードバックは、時にはあなたを落ち込ませたり、有頂天にさせたりもします。 自社の業界またはブランドについての消費者の否定的な「会話」を聞く術を知ることは、業績向上のための重要な意思決定を行うためには不可欠です。

先月、食品技術のテーマでUber Eatsについて投稿された多くの「感情」は、殆どが肯定的なものですが、最悪、失望、欲求不満などの否定的な感情も混在していました。

ネガティブな「感情」の根幹へ

このネガティブな「感情」の源泉を見つけるために、クリックを続けて個々の単語の中身を探っていきましょう。 モルモット的な機能がありこれを使うと新しく「単語の雲」が形成されます。 その結果、多くの苦情が「注文システム」「アプリ」「支払い」に集中していることがわかりました。

そして、上記の論争の原点が以下の2人のUber Eats利用者の熱い投稿のやりとりであったことが判りました。 ここで重要なのが洞察力です、平均的なユーザーは1日のうち2時間24分をソーシャルメディアに費やしているため、否定的なニュースは急速に拡散する可能性があります。

ここでは、カスタマーサービスがUber Eatsビジネスの弱点であることを示しています。パンデミックが消費者のブランドへの忠誠心を奪い、大きな収益を奪い、顧客をも奪っていく懸念があります。 さらに調査の結果、1件の否定的なレビューが企業の顧客の30%を失う可能性があることがわかっています。 ソーシャルメディアは誰もが見ている非公式なレビューの基盤なのです。

幸いUber Eatsはカスタマサービスイメージの修復に取り組んでいます。 大手ブランドでさえ、ソーシャルメディアを介してもたらされるあらゆる事象に対応できるようにすることが重要です。貴社にもできる筈です。ブランドを攻撃から守りながら新しい機会を発見する方法をご紹介します。 我々のデモを是非ご覧ください。

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