※NetBase Quid社 Paige Leidig氏が寄稿した「What Is Market Intelligence」を意訳した記事です。
ビジネスの世界で、変化しないというものはありません。トップブランドの知見を解き明かす鍵となるのは、確かなマーケット・インテリジェンスです。それは、変化し続ける市況の中で、ペースを維持し、先手を打つための”魔球”なのです。マーケット・インテリジェンスは、ブランドの新たなチャンスや危機を敏感に察知できるように、常に鋭敏さを保つべきツールのひとつです。
そのためには、マーケット・インテリジェンスとは何であり、何ではないのか、そしてブランドの成功にとってなぜ重要なのかを探る必要があります。なぜなら、多くのブランドが、そのような取り組みに時間を浪費しているのを目の当たりにしているからです。ここでは、マーケット・インテリジェンスへの取り組みの基礎となる要素を検証していきます。
●コンシューマー・エクスペリエンス・インテリジェンス(消費者体験の情報)
●プロダクト・インテリジェンス(製品の情報)
●コンペティティブ・インテリジェンス(競合他社の情報))
本論に入る前に、マーケット・インテリジェンスに関するいくつかの統計をご紹介します。
●データ分析をマーケット・インテリジェンスに使用している企業では、意思決定が5倍速くなります。
●競合他社の情報を、毎日から毎週の頻度でキャッチアップしている企業は、四半期から毎年キャッチアップしている企業に比べて、収益にプラスの影響を与える可能性が2倍高くなります。
●全世界の消費者の32%が、たった1回でも好みのブランドで悪い体験をすると、米国の消費者の17%がそれに従ってしまいます。
マーケット・インテリジェンスとは
それでは、マーケット・インテリジェンスとは、どのようなものなのでしょうか。具体的には、トレンドや消費者、製品、競合他社などの情報を収集し、関連市場をモニタリングすることで得られるブランド認知度です。ウェブ上の関連ソースをモニタリングし、適切な消費者リソースを統合して、構造化されたデータと非構造化データのすべてを集約し、全体像を俯瞰して分析することです。この分析は重要です。企業のあらゆる戦略的意思決定の基礎となる、実用的で正確な洞察(インサイト)を抽出するために、次世代の人工知能を搭載した最先端のモデルにより分析されなければなりません。
フォーチュン500の企業リストはそのような分析により作成されています。そして、高い競争力や消費者、市場の洞察力を提供し、継続的に大きなインパクトを与えています。何事もそうであるように、物事には正しい方法と誤った方法がありますが、それらについては後述します。
マーケット・インテリジェンスではないもの
盤石なマーケット・インテリジェンスとは、発見の深さと幅の広さの両方を必要とします。つまり、ランダムサンプリングやインターネット検索のような表面的なインサイトに基づいて構築された市場戦略は、遅延を招くだけでなく、危険を伴います。例えば、関連する市場要因を見逃してしまうと、リブランディングのタイミングを見誤り、競合他社から一歩リードする機会を逃してしまう可能性があります。
また、一貫性のない分析も同様に危険です。キャンペーンのフロントとバックエンドだけで優れた分析を構築して、それで良いと判断するのでは不十分です。結果を最大化するために、その場の判断で分析アプローチを微調整しながら、多くのインサイトを得る機会を逃してしまうことになります。
今の時代に、あなたがビジネスリーダーであれば、競合他社が世界レベルの人工知能(AI)を使って戦略を構築したと仮定して、常にモニタリングする必要があります。また自社についても同様にモニタリングしていなければ、競争について行けなくなるでしょう。
実際、ほとんどのブランドがマーケット・インテリジェンスを得意としているどころか、苦手としているのです。
マーケット・インテリジェンスのためにデータ分析している企業は、分析していない企業に比べて意思決定が5倍速くなるという事実を生かしてください。
マーケット・インテリジェンスのマストアイテム
また、デューデリジェンスで他と一線を画すのは、広範な主要業績評価指標(KPI)に基づき、明確に定義された、測定可能な目標を持っていることです。KPIの測定に労力を掛け過ぎず、売上高からmコマースデータまでに存在するすべてを測定する必要があります。
ブランド戦略は、データに基づいてこそ効果を発揮するため、トップブランドは強力な次世代人工知能(AI)ツールを活用して、最初から最後まで戦略的な取り組みを確実に行う必要があります。
インターネット上で、雪だるま式に膨れあがったネガティブな感情は、KPIをあっという間に赤字にさせてしまいます。機械学習により、ブランドが広大なオンライン上の会話を把握することで、関連するインサイトを得て、マーケティングキャンペーンを最大限に活用できるようになります。
赤は否定的なのに対し、緑は強力に支援する意見です。AIが数分でできることをするには軍隊のような従業員が必要であり、賢明なブランドは裏付けとなる情報がないのに、売ろうとすることはありません。
マーケット・インテリジェンスでは、堅牢なデータ分析が重要な役割を果たしており、Quidプラットフォームに組み込まれたコンテクスチュアルAIが、ニュースや製品レビュー、企業の投資状況、フォーラムなど、あらゆる種類の文章コンテンツから意味を抽出します。また、自社のデータをアップロードして分析することもできます。
これは消費者体験や競合他社の情報、現在から今後の製品市場についての戦略的な洞察を備えたマーケット・インテリジェンスにおいて、大きな変化をもたらします。
これらについてもう少し詳しく見てみましょう。
コンシューマー・エクスペリエンス・インテリジェンス
消費者が、自社のブランドやその製品、サービスを体験する方法は幅広く、しばしば想定と大きく異なることがあるようです。
このことは、関連する消費者データを収集するだけでなく、理解しやすい細かな粒度と透明性の高い方法で提示するために、堅牢なAIプラットフォームを持つ重要性を示唆しています。
また、32%の消費者が、一度でも悪い経験をしたらお気に入りのブランドから離れると答えているので、消費者にとって心地よい体験を与えるには、スピードが重要です。しかし、これは消費者体験の分析を敏感に察知し続けるためだけでなく、競合他社がミスしたときに、自社に利益が転がり込んでくる可能性も秘めています。
次世代の人工知能を搭載した消費者体験に関する実用的な洞察力の深さは、自社のブランドをマーケット・インテリジェンスの最前線へと押し上げるための重要な働きをしてくれます。
プロダクト・インテリジェンス
プロダクト・インテリジェンスの目的は、自社の製品やサービスを分析し、関連する市場において、自社の製品やサービスがどのように評価されているかを、よりよく理解することです。自社製品を取り巻く会話を一貫してモニタリングすることで、ブランドは市場のギャップに押し入り、破壊的要因を回避し、消費者のエンゲージメントを活用するための機敏さを身につけることができます。
これは、効果的な製品マーケティングにおけるブランドの機動性を大幅に拡大する、マーケット・インテリジェンスの重要な側面です。
製品分析は、自社製品だけに限定されるものではなく、その生産と供給に関連する市場の要因も含めて分析することで、マーケティングチームは迅速に行動することができます
例えば、売上のほとんどがソーセージという冷凍食品会社の場合、競合他社に先んじて豚肉産業の潜在的な供給障害を把握しておくことで、行動計画を立てることができます。
コンペティティブ・インテリジェンス(競合他社の情報)
古き良き時代の競争を勝ち抜くことが性に合わないという方はいませんか?コンペティティブ・インテリジェンスの目的は、ブランドや製品、消費者との関わりについての洞察を得て、情報に基づいた意思決定を行うことにあります。
競合他社の動向を常に把握し、一貫したトレンド分析を行うことで、誰よりも早く市場のギャップを利用することができます。
競合の強みと弱みを徹底的に理解することで、マーケティング効果が最大化するよう微調整して、消費者の注目を集め、ブランドの声のシェアを高めることができます。
また、Quidプラットフォームは、企業のデータセットを使用して、企業や投資情報を取得することで、簡単に競合他社の状況を把握することができます。
また、ニュース/ブログのデータセットに含まれるコンテクスチュアルAIの力により、競合他社を取り巻く感情、けん引力、トレンドを発見することができます。必要なだけデータを掘り下げることで、自社の次の一手を確信し、会話の中で自社がどこに位置づけられているかを知ることができます。
競合他社のインテリジェンス分析により、競合ブランドがチャンスを逃したのか、それともブランド危機の真っただ中にいるのかについて知ることができます。これは、急襲すべきか、落とし穴を回避すべきかを知ることができるため、重要な情報です。
現実を直視してみましょう。ブランドが他のブランドの失敗から学ぶことができれば、コストを大幅に削減することができます。これが、ブランドにとって、競合他社の情報を正確に把握しておくべき現実的な理由です。
とはいえ、マーケット・インテリジェンスの各分野への一貫性のあるアプローチは、意思決定のスピードを高め、結果的に収益に貢献します。自社ブランドがマーケット・インテリジェンスにおけるゲームのトップに立っていることを確認するために、今ほど良いタイミングはありません。個別のデモをご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。