ヘアケア成分の市場推移を分析-消費者の間で話題になっているヘアケア商品は?<パート5>

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Examining The News 2020.03.24

前回は、ニュースやブログで記事数の少ない情報に着目することで、思いもよらないユニークな商品を発見することができました。

今回は、ヘアケア成分の原料市場には、どのような企業が存在するかについて、調べてみました。
AIを用いたテキスト解析エンジンには、標準の分析用データセットの一つに、企業データベースがあります。(補足:Quidは、学習データは不要で、すぐに分析に使用できる、企業・特許データ、ニュース・ブログ情報が標準装備されています)

そこで、企業データベースで、ヘアケア成分の研究開発や製造、販売する企業を調べたところ、526社が検索でヒットしました(2018年解析当時)。その526社を、ヘアケア成分の注力分野ごとに分類した結果が、以下のネットワークマップになります。

AIによるヘアケア商品の分析AIによるヘアケアの話題を分類した結果

Quidのネットワークマップの中心に近づけば近づくほど、話題の中心であることを表します。反対に、青い四角で囲ったまばらな点(=記事)は、メディアであまり取り上げれていなく消費者にも知られていないことから、ネットワークマップの中心から外れた位置に点在しています。

これらは、新奇性が高く、現在は認知度が低いものの、将来トレンドに変貌を遂げる可能性が高い情報です。ですので、新製品や新サービス、新規の事業戦略を立案する担当者にとっては、現在のトレンドはもちろんのこと、話題の中心から外れた情報まで見渡すことが重要になります。

では、上図の青い四角で囲んだ話題を詳しく見ていくことにしましょう。

ヘアケア成分市場の526社を分野毎にAIで分類ヘアケア成分市場の526社を分野毎にAIで分類
()内の数字は企業数

分類した結果から、ヘアケア成分市場で最も多かったグループは「契約製造業者」で、ヘアケア成分販売会社から委託を受けて、ヘアケア成分の原料を製造する企業でした(全体の約11%を占める)。

また前回までの分析により、最近は消費者の自然派、健康志向が高まっていることから、「オーガニック、健康成分」「天然成分」を手掛ける企業が、多数存在していることが分かります。

また多くの企業が、化粧品やスキンケア、衣類、シャワー用品などの他の製品ラインナップと同じブランドで、ヘアケア商品を販売していることも分かりました。

次に、ヘアケア成分の市場推移を、時系列で分析してみました。

年代ごとに、トレンドを反映した企業が登場しています。

先ず1990年より前は、「化学物質、添加剤」や「契約製造業者」のクラスターが多いことから、ヘアケア成分の原料を開発する企業や製造業者の多くがこの時代に登場したことが分かります。有名な大手ヘアケアブランド商品の多くが、1990年よりも前に設立されています。一方、「天然成分」の企業はごくわずかですが存在しています。この時代から、天然成分に着目していた企業は、自然派志向のパイオニアと言えるでしょう(上図の左)。

続いて、1990~2005年には、「スキンケアブランド」や「シャワー用品」など、新しいコンセプトの、ヘアケア商品を製造する企業が増加しています。また、「天然成分」を取り扱う企業もが、この時代に急増していました。(上図の中央)。

2005年以降は、ヘアケア成分市場で、企業のビジネスモデルが、単なる製造・販売という枠を超えて、より多様化していました。異なるクラスター間を橋渡しするブリッジング企業が多数設立しています。例えば、2016年に設立されたインドの某企業では、ヘアケアやパーソナルケア商品の化学成分の安全性に焦点を当て、消費者向けに成分や商品の安全性関する情報を提供しています。

またこの時代には、シャンプーやコンディショナー、ヘアパックと、ヘアケア商品のラインナップが既に確立されているため、商品の差別化にもなる「フレーバー、香料」企業が増えています。そして「天然成分」「オーガニック健康成分」など自然派志向けの成分を開発する企業が増えていることは、先の分析により容易に想像がつく結果でした(上図の右)。

最後までお読みいただきありがとうございました。


この記事は次回へと続きます。パート6もご期待ください。(sales-quid@ctc-g.co.jp)。

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