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イベントレポート2016/11/22

第45回 International Collaborative Group Meeting

CTCライフサイエンス株式会社(以下、CTCLS)とLhasa Limited(以下、Lhasa社)は、2016年11月22日(火)、東京都千代田区のフクラシア東京ステーションで「第45回 International Collaborative Group Meeting(以下、ICGM)」を開催しました。
ICGMは、日米欧3極で毎年1回、Lhasa社製品のユーザー様向けに情報共有・議論する場として開催しています。2002年、国内初である第6回ICGM以降、定期的に開催しており、今回はその第45回です。

またICGMは、Lhasa社を中心とした、in silicoシステムを活用した毒性代謝予測に関する知見を国際的に共有することを目的としたコンソーシアム活動の一環でもあり、ここで議論された内容に基づき今後の製品開発へと反映されます。ICH M7ガイドライン対応や動物試験代替法などのニーズの高まりを背景に、過去15年間でin silico毒性予測の導入が大幅に拡大し、同会でも約50名のユーザー様が参加し盛況の内に幕を閉じました。CTCLSやLhasa社からの発表だけでなく、Lhasa社とユーザー様が直接議論するワークショップもアジェンダに組み込まれており、有意義なディスカッションが行われました。

アジェンダ

時間 内容
10:00-10:10 開会のご挨拶
10:10-10:30 CTCライフサイエンス 企業活動のご紹介
10:30-11:20 Session 1 Product Update
10:30 - 10:50 Product Manager’s updateDr. Nicholas Marchetti, Lhasa Limited
10:50 - 11:10 Derek and Sarah for webDr. Nicholas Marchetti, Lhasa Limited
11:10 - 11:20 Questions
11:20-11:30 休憩
11:30-12:15 Session 2 Product Update
11:30 - 11:50 Skin sensitisationDr. Chris Barber, Lhasa Limited
11:50 - 12:10 Intuitive model building with Sarah NexusDr. Alex Harding, Lhasa Limited
12:10 - 12:15 Questions
12:15-13:00 ご昼食
時間 内容
13:00-14:30 Session 3 New Products and Projects
13:00 - 13:20 eTOXsysDr. Harry Proctor, Lhasa Limited
13:20 - 13:30 Data Sharing update Dr. Harry Proctor, Lhasa Limited
13:30 - 13:55 SetariaDr. William Drewe, Lhasa Limited
13:55 - 14:20 MirabilisDr. William Drewe, Lhasa Limited
14:20 - 14:30 Questions
14:30-14:50 コーヒーブレイク
14:50-17:30 Workshop
14:50 - 15:20 ICH M7Dr. Chris Barber, Lhasa Limited
15:20 - 17:30 ICH M7 workshopDr. Harry Proctor, Dr. Alex Harding and Dr. Chris Barber, Lhasa Limited
17:30-17:45 閉会のご挨拶
18:00~ 懇親会

サマリー

冒頭の「CTCLS企業活動のご紹介」セッションでは、ICH M7ガイドライン対応に対し、CTCLSは、Lhasa社のin silicoシステムを主軸とした解決策の提案に今後ますます注力していく意向を示しました。

続いて「Session 1 Product Update」では、Lhasa社製品の開発責任者が、近年強化された製品ラインナップに含まれる、知識ベース毒性予測システム「Derek Nexus」、統計ベース毒性予測システム「Sarah Nexus」、代謝物予測システム「Meteor Nexus」、分解生成物予測システム「Zeneth」、毒性試験データベース「Vitic Nexus」の最新バージョンの新機能や予測の根拠となるKnowledge Baseの開発状況についてアップデートしました。また、ここでは将来のバージョンで改良が予定されている、Sarah Nexusの予測アルゴリズムの詳細など、ユーザー様向けに各製品の開発プランについて情報共有も行われました。昨今、各種アプリケーションの、ブラウザベースで動く Web アプリケーション化が進んでいますが、これを受けてLhasa社でも、Derek NexusとSarah NexusのWebバージョン「Derek for Web/Sarah for Web」を開発中です。今回ユーザー様向けに、Derek for Web/Sarah for Webの操作画面が披露され、その洗練されたインターフェースを魅力に感じたユーザー様より、同システムのリリースを待ち望む声が多く聞こえてきました。

次に「Session 2 Product Update」では、新機能や最近追加されたKnowledgeBaseについて更に掘り下げた情報が共有されました。
EUでの化粧品開発時における動物試験禁止の流れを受けて、Derek Nexusの重要なエンドポイントの一つであるSkin sensitization(皮膚感作)予測精度向上のニーズが急速に高まっています。そこでLhasa社は継続的に、アラートの充実化や予測精度のバリデーションを継続的に行い、動物試験の代替法としてDerek nexusが更に有用なシステムとなるよう取り組んでいます。またDerek Nexus 5.0で新たに実装された機能であるEC3値定量予測やその予測アルゴリズムの解説も行われました。
また、Sarah Nexus内で統計ベースの新規モデルを構築する際のワークフローや、利用すべきデータのポイントについても詳しく発表が行われました。これは、知識ベースと比較すると統計ベースの予測がブラックボックスだという印象を払しょくする内容でした。

発表の模様

図:Derek Nexus EC3予測値

午後の「Session 3 New Product and Project」では、将来リリースを予定している開発中の製品やそのプロジェクトについて日本のユーザー様向けに発表が行われました。
先ず来年にリリースが迫っている、変異原性不純物purge factor予測ソフトウェア「Mirabilis」の最新の開発状況について発表しました。次に、欧州を中心としたメガファーマがプロジェクトに参画し、既知知見が少ないため難しいと考えられている毒性予測の実現を目指したシステム「eTox」の成果物で、2017年にリリースが予定されている「eToxSys」や、複数部署間で毒性試験データ・毒性予測結果を共有活用するためのソフトウェア(あるいはプラットフォーム)「Setaria」の進捗状況についてアップデートしました。このように、世界中でLhasa社を中心としたin silico毒性予測のコラボレーション活動がますます活発化しつつあります。

同会の最後には、ICH M7ガイドラインで求められるin Silico解析結果のExpert Reviewについてのトレーニングセッションが設けられました。ここではLhasa社が出題した例題について、ユーザー様同士が議論をしながら、毒性の予測結果の解釈について考察しました。例題には、Derek Nexusでは変異原性が陰性だが、Sarah Nexusでは陽性と予測されたなど、結果の解釈が難しいケースが取り上げられ活発な意見交換が行われました。

参考:ICH M7 Expert Review Worked Example

製品紹介ページ

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