製品トピックス2018/8/31
リキッドハンドラー導入の次に、検討すべきこととは?
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原文:
https://www.titian.co.uk/news-landing/news/youve-bought-a-liquid-handler-what-next
使いやすい新しいタイプのリキッドハンドリングロボットを導入すると、次のことが実現するでしょう。
- 定義されたピペット操作を極めて正確に実行すること
- エラーを最小限に抑えつつ、より高いスループットを実現すること
- 科学者の手を介在せず自動で、科学的に重要なタスクを遂行できること
しかし、あなたの研究室でリキッドハンドリングロボットを最大限に活用するために、更にいくつか検討すべきポイントがあります。
- どのように生産性を向上させますか?
- 負荷が掛からない作業で誤りを発生させず在庫情報を更新していくために、データワークフローにどのように結果を組み込みますか?
- 使用されるサンプルについて、どのように処理・追跡しますか?
何から始めれば良いのでしょうか?
特定フォーマットのサンプルプレートが必要になることは分かっていますが、リキッドハンドラーがこれらプレートに対して処理を迅速に実行するためには、どのようなプロセスとなるでしょうか? また、実行完了した結果を得るために必要なステップには何があるでしょうか?
上記には、次に挙げる項目が必要になります。
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サンプルを探せること:
- 在庫検索から化合物を特定でき、遠隔からでもサンプルをリクエストできること
- サンプルの保管場所を追跡でき、そこから取り出せること
- プレート作成やアッセイに使用される試薬と実験装置を追跡できること
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リキッドハンドラーに所定の出力を生成するためのプロトコルを付与できること
- リキッドハンドラーに、サンプルや実験装置、試薬がストックとして保管される場所を指示できること
- リキッドハンドラーに、出力結果に必要なフォーマットとレイアウトを指示できること
- 複数の入力ソースから希釈やピッキングなど、リキッドハンドラーが実行するアクションのスクリプトを書けること
- 使用可能なサンプルと試薬の量が十分であることを確認し、デッドボリュームの考慮や予約もできること
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リキッドハンドラーをロードできること:
- 前に実行したランからサンプルと実験装置を清浄できること
- 実験装置の設置ができること
- サンプルと試薬、実験装置を適切な場所と正確な数量で設置できること
- 十分な消耗品または参照物質が使用可能であると確認すること
- リキッドハンドラーのプロトコルを実行できること:
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結果を確認できること:
- エラーを報告し、一時停止またはエラーが発生した場合はワークフローを終了すること
- 新しいサンプルの場所やウェル番号、子プレート、容量のレベル、在庫に関する情報を更新・管理できること
- 試験・分析用に作成された新規プレートを提供できること
- プレートデータが分析に使用可能であるか確認できること
これらは複雑に聞こえるかもしれません! しかし、シンプルなプレート複製プロトコルを繰り返し実行するだけでも、リキッドハンドラーがワークフローの一部を制御しているのでは不十分です。例えば、サンプルと作成したプレートの枚数も認識できる必要があります。また、ソースプレートが枯渇していないかどうか、出力プレートがどこに付与されているかなども検知できる必要があります。
通常リキッドハンドリングロボットは、正確な量の溶液を効率的かつ確実に移動させるというタスクは実行できますが、以下まではカバーされていません。
- 処理されるコンテンツに関する情報の維持 - サンプルメタデータや、リキッドハンドリングロボットの周辺で発生する、サンプルに関する情報は扱えない
- 規定の条件を満たして初めて実行できるよう制御- 必要なサンプルと実験装置を追跡して、正しく準備が完了したことを確認してから処理を実行できること
- (機器やシステム間で)連携させないと、結果のレポートを様々なワークフローに適合させることができないこと
それでは、自社の実験室にどのように統合できるでしょうか?
実験室のワークフローを効率的に管理し、監査証跡を提供するには、新規に導入したリキッドハンドラーをサンプルデータと他プロセスへの接続が必要となります。これは、通常以下の方法で対応することができます。
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スプレッドシートの作成 – この作業は複雑で、手作業による手間の掛かる更新を行わなければならず、エラーを発生しがちです。
- IT部門にマクロまたは個別のソフトウェアを提供するよう依頼 – 新しいラボオートメーションシステム導入の都度対応し、オートメーション維持をサポートする必要があります。
- サンプル管理ソフトウェア、または全てのラボオートメーションシステムに接続できるLIMSシステムを使用することで対応可能になります。
リキッドハンドラーのワークフロー統合は、Titian社のMosaicなど優れたラボ管理ソフトウェアを使用することで大幅に簡素化できます。
サンプル管理ソフトウェアMosaicは、様々なオートメーションシステムと統合することで、次の機能を提供します。
- オペレーターがリクエストされたサンプルを取り出すためのピック・ジョブを、自動又は手動で作成可能なインターフェース
- サンプルや試薬、ラボウェア使用に関する、追跡・予約・制限機能
- エラーを伴わないリキッドハンドラーに向けたピペット操作プロトコル作成
- リキッドハンドラーが設置されている場所を、オペレーター向けに案内するインターフェース
- 高度なチップの使用/追跡
- タイムラグを回避するための、データ処理と在庫の更新を自動化
- 21 CFR Part 11に完全準拠した監査証跡
上記を目的として、自社独自のスプレッドシートが作成・運用されるケースがありますが、これには以下のリスクが考えられます。
- トレーサビリティのエラー - 誤ってサンプル在庫が最新情報に更新されていないソースプレートを使用してしまうという事態を招きやすいです。これにより、アッセイ分析中に初めてエラーが発覚し、貴重なアッセイ用試薬を無駄に消費してしまいます。
- スプレッドシート内またはスプレッドシート間のマクロエラー発生
- 情報へのアクセス – 例えば、ヒットを特定するときに、ヒットしたウェルにどのような組合せのサンプルが含まれていたか、またそれがどこから得られたものか正確に追跡するのが困難となります。
より大規模なオートメーションシステム化に取り組む
TecanやHamilton、HighRes Biosolutions、Labcyteなど大規模なオートメーションプラットフォームは夜間に稼動するので、より高いスループットで処理を実行できます。これにより、益々プロセスに統合可能なシステムに対する要求の度合いが高まっています。こうした要求に対し、果たしてスプレッドシートで満たすことができるのでしょうか?
このようなオートメーションプラットフォームは、ワークフロー内部のタスクについてはしっかりと管理できますが、創薬サイクル完了に必要な、一連の付随するワークフローまで管理できるように設計されていません。そのため科学者から寄せられるオーダーには、独立したタスクとして対処する必要があります。 オペレーターは、プラットフォーム上で実行する順番と、プラットフォームが正しく設定されているか確認するために、大変非効率なチェックと検証に手間を掛けています。そこに、Mosaicのようなラボ管理システムを用いることで、科学者からのオーダーに対しMosaicはスクリプトを自動的に書き込み、制限やボリュームをチェックします。また、類似したジョブへの紐づけまで行えます。その結果、オートメーションプラットフォームがオーダーを受領すると、最適化・妥当性評価が行われ、処理の準備が整います。今日の実験室では、オートメーションプラットフォームをスクリーニング・サイクルに紐づけることで、これらシステムで実行される重要なタスクを、サイクル全体の一部として表示・管理できることが求められます。そこでTitian社ソフトウェアMosaicは、オートメーションシステムでカバーされていない上流・下流ワークフローの隙間を統合することで、早期創薬スクリーニングプロセスの効率化を大きく支援します。
さらに詳細を知る
ラボオートメーションの管理に関する詳細情報は、次のリンクから入手できます。
- Titian社Webページ Integrations
- Tecan社ブログ「 Are we nearly there yet?
」
- Titian社アプリケーションノート(Webページ Resources
から入手可能)