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イベントレポート2016/10/27

Instemソリューションセミナー

Instem Japan株式会社とCTCライフサイエンス株式会社(以下、CTCLS)は、2016年10月27日(木)、東京都港区にあるザランドマークスクエアトーキョーで「Instemソリューションセミナー」を開催しました。今回のセミナーには、Instem社製品のユーザーから今後利用を検討しているお客様にもご参加いただき、製品開発状況やソリューションの最新情報について発表しました。

  • Introductions
    開会のご挨拶
  • Instem & Market Update
    Instem社の最新ソリューションのグローバルでの市場価値および実績についてご紹介(10分)
  • Instem Non-Clinical system solutions
    Instem社の非臨床データの収集からSEND化までのトータルソリューションのご紹介(15分)
  • Introduce Instem SEND product SubmitTM
    SENDデータの変換、修正・変更、バージョン管理までSENDデータの一元管理を実現するシステムのご紹介 (20分)
  • Bioinformatics solution
    Targetに基づく安全性評価の受託サービスであるKnowledgeScan TSAのご紹介 (10分)
  • Partner Presentations (CTCLS)
    医薬品業界向けコンテンツ・コラボレーション・プラットフォームのご紹介(20分)

Introductions
開会のご挨拶

登壇するInstem Japan株式会社
Neil Donaldson 氏

講演者
Instem Japan 株式会社 President Neil Donaldson 氏
Instem社でアジアのビジネス統括責任者を務めるNeil Donaldson 氏が開会の挨拶を述べました。近年の製薬R&D市場は活発化しており、過去10年間では毎年、創薬パイプラインの数が増加しています。それに伴い、非臨床試験・臨床試験が実施されたパイプライン数も増えており、2016年も同様の傾向が報告されています(Citeline Pharma R&D Annual Review 2016より)。そうした中、膨大な申請を受け付けるFDAなど規制当局にとって、効率化を図るうえで非臨床試験・臨床試験での電子データ申請の重要性が高まっており、Instem社は製薬会社によるこれら電子データ申請を支援するソリューションを展開していく意向を示しました。

Instem & Market Update
Instem社の最新ソリューションのグローバルでの市場価値および実績についてご紹介

登壇するInstem Mike Harwood 氏

講演者
Instem LSS EVP, Regulatory eStudy Solutions Mike Harwood 氏
このセッションでは、Instem社がグローバルで展開するビジネスの概況について発表しました。1970年に創業したInstem社は、長年にわたりライフサイエンス業界向けのソフトウェアを開発してきましたが、現在は本拠地である英国ほか全世界の11拠点にオフィスを構え、500社(機関)以上に同社製品が導入されるなど、創薬研究開発の市場拡大と共にビジネスを拡張してきました。2015年度の収益は前年度より20%増加したと、ビジネスの好調ぶりをアピールしました。

これまで、安全性試験支援システムProvantisやCDISC SEND変換ソフトウェアSubmitなど、非臨床試験の支援を軸としたソリューションを提供していました。さらに今後は、2016年9月の安全性薬理試験のデータ管理システムNotocordの買収に始まり、eCTDソリューションや臨床試験データ管理など創薬の開発業務全般に渡る製品ラインナップの充実に向けてビジネスを展開しています。

Instem Non-Clinical system solutions
Instem社の非臨床データの収集からSEND化までのトータルソリューションのご紹介

登壇するInstem Japan株式会社
北原 輝和 氏

講演者
Instem Japan 株式会社 Regional Manager 北原 輝和 氏
このセッションで、Instem Japanの北原 氏より、近年のInstem社はソフトウェア開発だけでなく、コメットアッセイライブビデオ計測システムComet Assay IVなど変異原性試験向けの機器も取扱い、非臨床試験におけるソリューションを更に充実させたことや、欧米ではGLP試験データの管理におけるクラウド利用の抵抗がなくなってきており、Instem社はソフトウェアをSaaSのサービスとして形態で提供する機会が増えたことなど、最新トレンドになぞらえて発表しました。

数多くの製品ラインナップから、Instem社が特に力を入れていきたいのが、SENDデータ変換に纏わる様々な課題に対するソリューション提供です。
非臨床試験のSENDデータ変換のワークフローとしては主に、「試験計画⇒試験実施⇒試験データのQC⇒レポート作成/SENDデータセット作成⇒(SENDデータセットを作成した場合)QC⇒申請/試験データ解析」で進むのが一般的です。このワークフローで、Instem社は集積された非臨床試験データのより早くSEND化し、QC作業の負荷軽減に繋がるような、シームレスなSENDデータ化を目指したソリューションを提供します。また、2016年9月には、SENDデータを用い非臨床試験のデータを横断的に解析するSEND Explorerも提供開始し、ソリューションの厚みが増しています。
そして、製薬会社やCROにとって、SENDデータの運用開始において、人材育成が欠かせません。そこでInstem社では、コンピュータを用いたSENDデータを取扱う人材向けの教育支援プログラム「CBT(Computer Based Training)」の立ち上げを精力的に進めていきます。

Introduce Instem SEND product SubmitTM
SENDデータの変換、修正・変更、バージョン管理までSENDデータの一元管理を実現するシステムのご紹介

登壇するCTCLS Ian Cameron

講演者
CTCライフサイエンス株式会社 技術開発部 技術第4課 Ian Cameron
2004年からSENDデータ変換支援ソフトウェアの開発・提供におけるInstem社が培ったノウハウを受け、また自身もSENDデータに関する勉強会に参加し知識を積み、各種学会でSENDデータ変換におけるIT活用について講演活動をしているCTCLSのIan Cameronより、SENDデータ作成の様々な側面におけるIT活用について発表しました。
現在、国内の製薬会社やCROでは、SENDデータへの理解度が増しているため、今回はSENDデータ変換におけるIT活用を更に深堀し、お客様のニーズの詳細について洗い出しました。

SENDデータ変換の取扱いには、大きく分けて①SENDデータ変換(CRO・スポンサー)②SEND受領(スポンサー)と立場の違いにより2通りあります。今回はCROによるSENDデータ変換の業務フローに着目して、フラットファイル(CSVファイルやExcelファイル)からSENDデータを作成し、それがSEND IGに適合しているか確認し、更にQCチェックを経て最終化されたSENDデータセットを集中管理し、最終的にスポンサーに提供するまでの一連のフローで、IT活用できる重要なポイントは何点かあります。例えば、自社で定義している用語をCT(Controlled Terminology)に統制することや、SEND IGに照合したチェックの過程で、Warningが出た場合に、それをシステムが見やすい形で表示するなど、研究者を最大限に支援するIT活用のポイントについて、CTCLSは知見を持っています。特に、威力を発揮するのが、集中管理されたSENDデータセットの編集とその監査証跡が取られる点です。これらIT活用の具体的なソリューションとして、Instem社SubmitやSENDViewが利用できます。発表の最後に、これらソフトウェアのデモも披露しました。

Bioinformatics solution
Targetに基づく安全性評価の受託サービスであるKnowledgeScan TSAのご紹介

講演者
Instem Japan 株式会社 President Neil Donaldson 氏
Instem社は、長年バイオインフォマティクスソフトウェアの開発を続けてきたBiowisdomを買収し、疾患ターゲットに関する安全性評価(以下、TSA:Target Safety Assessmentの略)レポートサービス「KnowledgeScan TSA」を提供しています。
製薬会社では、探索段階でより早期に潜在的な毒性を特定するため、安全性や薬理部門で、疾患ターゲットに関する毒性リスク評価が行われています。そのために研究者は、PubMedやchEMBLなどターゲットタンパクの変異やパスウェイ情報、関連する毒性情報を探索するために、膨大な文献や既知情報について検索しています。そこでInstem社は、これら情報検索の効率化を支援する受託サービスしてKnowledgeScan TSAを提供しています。このサービスでは独自に開発したBioinformaticsのシステムを、Instem社の毒性評価の専門家が駆使し、膨大な文献からターゲットの潜在的な毒性情報を解析したレポートを提示します。これにより、遺伝子発現やin vivo、in vitro試験などの既知知見に基づく、多角的なターゲットベースの毒性評価が行えます。

Partner Presentations(CTCLS)
医薬品業界向けコンテンツ・コラボレーション・プラットフォーム「Box」ご紹介

登壇するCTCLS 柿崎 彰一郎

講演者
CTCライフサイエンス株式会社 営業第1部 アカウント第1課 柿崎 彰一郎
シリコンバレーでは老舗といわれる、2005年に設立したBox社は、容量無制限のクラウドサービスとして導入実績の多い、法人向けコンテンツ・コラボレーション・プラットフォーム「Box」を開発、提供してきました。このセッションでは、製薬会社向けにBoxを提供しているCTCLSの専任営業の柿崎が、非臨床試験のSENDデータ受け渡しにおける課題に着目し、製薬会社・CROの研究者向けBoxの活用案を発表しました。

2015年には製薬会社では約10社がBox導入を決定し、今年度も導入が相次いでいます。これは、自社内でのコンテンツを目的とした業務効率化への意識向上だけでなく、産官学連携など外部とのコラボレーションが活発化する潮流が後押ししたものです。
Boxの基本機能の中で特筆すべきは「120種類以上の拡張子」に対応しているというメリットです。医療分野では、レントゲン画像を遠隔診断する際に用いられるDICOMデータなどがBox上でプレビューできるため、専用ソフトウェアが無い環境でも診断が行えるという具体例が挙げられます。
規制の厳しい製薬業界では、厳正なセキュリティやアクセス管理が求められますが、Boxは60種類以上の操作の監査レポートを出力できるなど、Box上の挙動は全て監査証跡が取られているので不正アクセス防止にも役立ちます。また、7段階のアクセス権限も設定でき、製薬会社とCRO間で、今後ますます行われると想定されるSENDデータのやり取りが、これまでのDVD送付やメール添付よりも業務負荷の少ない手段により、Box上でセキュアに行えるようになります。

製品紹介ページ

※記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください
※部署名、役職名、その他データは、イベント開催当時のものです。