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イベントレポート2017/11/22

CTCとBox社、Box World Tour Tokyo -Pharma Session- を開催

「セミナーの様子」「Box社CEO Aaron Levie 氏がネットワーキングパーティーでスピーチ」

2017年6月9日(金)、東京都渋谷区のセルリアンタワー東急ホテルで、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)と株式会社Box Japan(以下、Box社)の2社共催で、「Box World Tour Tokyo -Pharma Session-」を開催しました。近年CTCとBox社は、産学連携に伴うオープンイノベーションやCROへ外部委託する機会が増えており、セキュアな情報交換のニーズが高まっているライフサイエンス業界特有の課題に沿った、ソリューションの提供に尽力してまいりました。その結果、わずか2~3年間で約20社以上の製薬会社やCROに、クラウド・コンテンツ・マネジメントプラットフォーム「Box」の導入が広まりました。今回は、従来運用されてきた研究領域から、開発領域への利用拡張に向けてBoxのGxP対応状況についてアップデートしました。またCTCから、製薬企業における新たなICTトレンドもご紹介しました。各発表後には、活発な意見が飛び交い、大変有意義な会となりました。

製薬業界における新たなITトレンド

講演者 伊藤テクノソリューションズ株式会社(CTC)ライフサイエンス事業部 事業部長代行 田邉 雄介

登壇するCTC 田邉 雄介 事業部長代行登壇するCTC 田邉 雄介 事業部長代行

CTCの田邉事業部長代行より、製薬業界におけるITトレンドについて、海外の活用事例を中心に発表しました。
2017年4月1日付で、旧CTCライフサイエンス株式会社(以下、旧CTCLS)は、CTCに合併しましたが、この背景には製薬業界を取り巻く環境の変化が関係しています。昨今の製薬企業は、医薬品の製造販売だけでなく、患者様や医療関係者を支援するサービスを提供し、製品の付加価値を高めることを重視してきています。それに伴い、我々に求められるニーズも複雑化しており、従来のソフトウェア提供の枠を超え、AIやIoT、ビッグデータ、モバイルなど広範なITテクノロジー活用が必要に迫られています。そのため、これらテクノロジーに精通した人材を潤沢に持つCTCと合併することで、最先端の製薬企業からのニーズにマッチしたITソリューションを図るというのが、今回の組織改編の主な理由となっています。
当発表では、近年製薬業界で注目が集まっているデータドリブンのテクノロジーに焦点を当て、これに関連する3つのキーワード「Data Lake※1」「リアルワールドデータ(RWD)※2」「モバイルヘルス(mHealth)※3」について、海外の医療機関や製薬企業での事例を中心に、トレンドをご紹介しました。講演の中で、DataLakeに貯まったデータを、人工知能(AI)を用いて高い新薬開発の成功率を上げたベンチャー製薬企業や、スマートフォンのアプリとして投薬後の治療効果や服薬状況の情報を手軽に追跡が可能となった事例など、大変高いご関心を持って聴講していただけました。
最後に、2017年4月、CTCに新設された未来技術研究所についてご紹介しました。同研究所は、シリコンバレーにオフィスを構えるCTC Americaが発掘する未来技術をいち早く採用し、お客様と共に最新のITソリューションを創りあげていくことをミッションとしています。今回挙げたような、最新のテクノロジーを駆使したシステム構築にご興味あるお客様のお力になりたいと考えています。

※1Data Lake
従来のデータ・ウェアハウスは、データの格納の時点で分類や体系化が必要であり、おもに構造化されたデータを格納する「倉庫」だったのに対し、データレイクは格納時点ではその成約を受けず、膨大な非構造のネイティブデータをためていけることから「湖」に喩えられるデータ格納場所。たまったデータは、日々の業務などアドホックな用途で素早く活用できるのが特長である。

※2リアルワールドデータ(RWD)
実際の医療診療行為に基づくデータ。医療機関から得られる膨大な量のEHR(Electronic Health Record)から、診療データ・レセプトデータなど薬剤の処方情報、患者背景因子、現病歴や既往歴、重症度、治療情報、処方変更・変更理由、処方後の経過や効果、さらに希少疾患に関する臨床情報、既存薬の薬効、副作用、併用薬、QOL情報等を抽出したデータを指す。

※3モバイルヘルス(mHealth)
モバイル端末(スマートフォン端末やタブレット端末)を利用して患者に提供する医療行為や診療行為のこと。

Updates box in Pharmaceutical Industry

- Box Life Sciences Updates / Box Partner Eco-system / Box Life Sciences Strategy

講演者 Box,Inc Managing Director, Global Life Sciences Riju Khetarpal

登壇するBox,Inc  Riju Khetarpal氏登壇するBox,Inc  Riju Khetarpal 氏

Box,Incでライフサイエンスビジネスを統括しているKhetarpal氏より、Boxの最新情報と近年同社がビジネスに注力しているライフサイエンス業界への戦略について発表しました。ライフサイエンス業界では、例を挙げると研究開発・製造業務のアウトソース増加といった業界トレンドに対し、コンプライアンス強化やグローバル規制を満たした情報交換の場が必要となるなど、デジタルトランスフォーメーション変革が進んでいます。しかし、ファイルサーバーや基幹業務アプリケーションなど断片的にコンテンツのデジタル化が進んできた中、地理的・業務的に拡散した各組織で生成する全てのコンテンツを、一か所で保管でき、共有したいというニーズが高まってきました。
これに応えるプラットフォームがBoxです。
これまでBoxの運用は、規制対象外のコンテンツマネジメントが中心でしたが、2017年後半には、BoxはGxP対応する予定となっており、規制および規制対象外両方のコンテンツをサポートできるようになります。ライフサイエンスに関わる670以上もの組織、650,000ユーザーでBoxが導入されてきましたが、BoxのGxP対応が、従来の製薬やCROから更に診断薬・医療機器やバイオベンチャーなど、更なるユーザーの拡大に繋がっていくと見込んでいます。また、1,000を超えるサードパーティのアプリケーションとBoxとのインテグレーションさせた「Boxエコシステム」は、更にきめ細かなユーザーのニーズに応えることができるようになります。
次の講演でもご紹介する、Boxのパートナーシップによる、Boxプラットフォームを活用した複雑なGxPアプリケーション構築により、今後Boxはますます高まるライフサイエンス業界のコンテンツのデジタル化ニーズを満たすよう、進化しつづけています。

Medidata and Box

講演者 メディデータ・ソリューションズ株式会社 アジアパシフィック統括責任者 社長 山本 武

登壇するMedidata社 山本 武 氏登壇するMedidata社 山本 武 氏

このほどBox, Incと正式にアライアンスを結んだメディデータ・ソリューションズ株式会社(以下、Medidata)の山本氏が、両社の連携によって実現した、ライフサイエンス業界向けの規制対象文書管理製品群について発表しました。Medidata社は、臨床開発・研究のためのITソリューションをクラウドベースで提供しています。同社ソリューションは全世界で850社以上の企業や研究組織で導入され、臨床開発分野のテクノロジープロバイダーとして、業界をリードしています。

図:Medidata RCM(両社連携により実現したソリューションのイメージ)図:Medidata RCM(両社連携により実現したソリューションのイメージ)

eTMFやSOP管理をサポートするMedidata RCM(規制対象文書管理)はBoxとも親和性が高く、BOXユーザはMedidata RCMで管理される規制対象コンテンツと一般のコンテンツの両方をBox上で管理、再利用することができます。アプリケーションサービスとしてモバイルアプリも提供され、モバイル環境下でSOP変更の周知や、eTMFのコンテンツレビューや承認作業を行うことが可能となり、業務効率を大幅に向上します。
さらに、Medidata RCMはMedidataの他のクラウドサービスとシームレスに連携することにより、申請文書と各プロセスで発生するデータのインテグリティーの確保に貢献します。

BoxのGxP対応

講演者 Box,Inc Managing Director, Global Life Sciences Riju Khetarpal
講演者 株式会社SHAREVISION シニアコンサルタント 平野 勝久

登壇するSHAREVISION 平野 勝久 氏登壇するSHAREVISION 平野 勝久 氏

Box,IncのKhetarpal氏と、BoxのGxP対応におけるパートナーベンダー株式会社SHAREVISIONの平野氏からは、BoxのGxP対応のスコープやスケジュール、体制などについて発表しました。発表によると、現在box社によるbox GxP作業が進行中であり、対応完了後は規制対象外のコンテンツだけでなく、規制対象の領域まで運用が広がり、いずれは全領域における運用が可能となっていきます。平野氏は、一般的なクラウドシステムのGxP対応パターンを示し、それを前提とした、Boxが取っていくCSVやER/ES・Part11対応のアプローチについて解説しました。

ネットワーキングパーティー

ネットワーキングパーティーの様子

ネットワーキングパーティーでは、Box社CEOのAaron Levie 氏が飛び入り参加し、会場にどよめきが起こりました。Aaron 氏は、参加者に向けてライフサイエンス業界へのビジネスに注力していきたい意向を力強くアピールし、参加者からも将来のビジョンに対する質問が投げかけられるなど、活発な交流が行われました。

CTCとBox社は、今後もライフサイエンス業界の業務変革をもたらすような、Boxを軸に据えたソリューションを展開してまいります。

※ 記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
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