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  • 東京化成工業株式会社

    研究者の利便性を徹底的に追求した導入プロジェクトで、利用率100%と高いユーザー満足度を実現

東京化成工業株式会社 専務取締役/COO
技術管理本部長 浅川 直幸 様

『現場にメリットを実感してもらえるように、研究者と一緒にとことん要件や利用機能を検討したことが、成功のカギでした。』

電子実験ノートの便利さはわかるが、紙に書くことに慣れてきたから、いまさら変えるのは面倒だ―――。これは、製薬企業、化学企業など、電子実験ノートの導入を進める多くの企業が耳にする研究者の声です。しかし、東京化成工業は、消極的意見もあった研究開発の現場に対して、「ユーザーにとってメリット大、負担小」という明確な方針を打ち出し、しかも、多くの研究者をプロジェクトに巻き込んで利便性を徹底的に追求することで、Accelrys Electronic Lab Notebook(以下「新電子実験ノート」)の導入を成功させました。利用率は100%で、日々の研究業務 に不可欠なインフラになりました。

課題と効果

課題

  • 2009年に他の電子実験ノート(以下「旧電子実験ノート」)を導入したものの、研究者の利用率は20~30%程度にとどまっていた。
  • 既存の業務プロセスと旧電子実験ノートの運用とがマッチしていなかった。入力の負担があるにもかかわらず研究者にとって省力化の恩恵(電子化のメリット)がなかった。
  • 旧電子実験ノートのパフォーマンスや検索機能が悪く、研究者から信用されなかった。

効果

  • 本格稼働から約3年が経った今も、利用率は100%。
  • 基幹システム(SAP)とのスムーズな連携が実現。新電子実験ノートから基幹システムの情報を検索して取り込めるようになった。
  • 帳票作成など事務作業の負担をおよそ3割軽減することに成功した。研究者の負担が減り、研究活動により多くの時間とリソースを充てることができるようになった。
  • 研究者間の情報共有が進んだ。離れた研究所間でも実験データを共有できるため、シームレスな技術移管ができるようになった。

導入の背景・経緯

  • 面識のある米国の製薬企業が2007年当時、すでに電子実験ノートを使っていて、「非常に便利」という話が伝わってきた。そこで、情報を集めて検討した結果、将来的に必要なツールだと考え、旧電子実験ノートの導入を決定した。
  • しかし、日常業務に支障が出ることを懸念して研究者をあまり導入プロジェクトに関与させなかったことや、既存業務とのGap分析が不十分だったことも相まって、使い勝手の悪いシステムになっていた。
  • 機能面の課題もあり、研究者には不評で、利用率は低いままだった。そこで、そうした状況を抜本的に改善すべく、「リベンジ」の機会をうかがっていた。

Accelrys Electronic Lab Notebookを選択した理由

  • 旧電子実験ノートをバージョンアップする時期になり、後継製品に当たる新電子実験ノートと、複数の他社製品を比較検討した。
  • しかし、新電子実験ノートが機能面で大幅に強化されていたことや、価格面でのアドバンテージ、何より、CTCLSが「リベンジしたい」という東京化成工業の思いに共感し、改善提案をしてくれたことを重視した。

導入のポイント

積極派も消極派も、とにかく“巻き込む”

導入の効果
  • 過去の反省に基づき、「ユーザーにとってメリット大、負担小」なシステムを構築するという方針を明確に打ち出した。
  • 既存の業務プロセスとのFit&Gap分析を徹底的に行い、稼働後すぐに効果を実感できるようなシステム導入を目指した。
  • CTCLSの提案を容れて、新電子実験ノートの導入に積極的な研究者だけでなく、消極的な研究者もプロジェクトに巻き込んだ。そして、不満の解消を図りつつ、一つひとつ合意を積み重ねていった。時には議論が過熱することもあったが、当初は消極的だった研究者が、後で普及の大きな力になってくれた。
  • できる限り多くの研究者に加わってもらい、真に現場の視点から要件定義を行った。また、ユーザーアクセプタンステストでも、同様のことを行った。
  • 新電子実験ノートの豊富な機能のうち、負荷軽減や業務効率化につながるものを厳選し、必要と判断したものには積極的にリソースを投資した。

導入の効果

  • 研究者全員を対象に導入し、利用率100%を達成。また、稼働開始直後から、原価計算や社内試薬・資材検索といった機能に「これは便利」との声が相次いだ。
  • 帳票作成など事務作業の負担がおよそ3割軽減された。その分、他の研究に時間を充てることができる。
  • 研究者同士の情報共有が進んだ。上司が部下の実験ノートを見て指導することが容易になり、また、離れた研究所間の実験データのやり取りの際に、相手を煩わせることなく欲しいデータだけを閲覧することができるようになった。
  • お客様から見積依頼を受けた時、新電子実験ノートの原価計算機能を使ってスピーディーに対応できるため、顧客満足度の向上にも役立っている。
  • 基幹システムは、ライセンスを持つ人が限られていたり、柔軟性に欠ける面もあったりと、使いにくさを感じることがあったが、柔軟性に優れた新電子実験ノートと連携させたことで使い勝手が向上した。

基幹システムとスムーズに連携

システム全体イメージ

今後の展開

  • アメリカや中国などの海外事業所にも展開し、グローバルな研究情報の共有を目指す。
  • ユーザートレーニングを定期的に実施し、記述の内容・量を充実させたい。
  • 画像データや音声、動画を保存できる機能を有効活用して、情報量を増やしたい。技術の伝承や移管の際に、動画や画像データがあれば相手に伝わりやすい。

導入企業様の情報

東京化成工業株式会社

本社住所

〒103-0023
東京都中央区日本橋本町4丁目10番2号

URL

http://www.tcichemicals.com/ja/jp/ window open

※ 部署名、役職名、その他データは、取材時(2014年9月24日)当時のものです。

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