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富士製薬工業株式会社:法人向けクラウドコンテンツ・コラボレーション「Box」で、現場目線に立ったBox全社展開で、順調に利用率をアップ!ファイルを「送る」から、「共有する」へと意識改革が進む

富士製薬工業株式会社
  • 富士製薬工業株式会社 コーポレート企画部 経営管理グループ システム統括課 リーダー 早川 健 様
    富士製薬工業株式会社
    コーポレート企画部
    経営管理グループ
    システム統括課 リーダー
    早川 健 様

『一見回り道のようでも、現場目線を崩さず、時間を掛けながら“ゆる~く”啓蒙していったのが、成功のポイントです。』- これは、富士製薬工業株式会社(以下、富士製薬)で、法人向けクラウド・コンテンツコラボレーション「Box」の導入を推進した、早川氏によるコメントです。

富士製薬は、2018年1~4月という短期間での導入を行い、同年5月には約750名の全社員向けにBoxを展開しました。早川氏が綿密に練ったシナリオに従い、現場に利用メリットをじっくりと丁寧に説きながら啓蒙をし続けたところ、導入後は右肩上がりに利用率が上がっていきました。

Box導入前の同社では、旧グループウェアで、部門ごとにデータ管理が委ねられていた状況でした。女性医療分野や急性期医療分野における新製品、バイオ後続品の開発・製造・販売や、他社の医薬品の受託製造など、スペシャリティファーマとして、医薬品業界で存在感を増す富士製薬は、業務の多様性に伴い、部門を横断した効率的な情報連携のニーズが高まっていました。しかし、旧グループウェアの運用管理は現場に任されており、全社の統一基準によるファイルの置き場所がなく、部署を跨いだ情報共有が困難な状況にありました。そこでBoxを導入することで、効率的なコーポレートガナバンスを実行できる、全社ファイル管理システムの立ち上げを実現しました。
Boxはクラウドシステムのため、オンプレミス・サーバーのメンテナンスや障害対応が不要となり、コンプライアンスや運用状況の管理と利便性の向上に集中して取り組めています。

今後も富士製薬は、Boxに集約された情報資産に対する高密度な運用に挑み、更なる業務効率化や情報活用を図っていきます。

課題と効果

  • Before
    • 課題
      1. 全社を横断したファイルサーバーがなく、部門管理の旧グループウェアで管理していたため、全社で平準統一化されたポリシーによる情報共有が困難だった。
      2. 現場から、製薬企業特有の規制に対応した文書管理を行いたいと相談を受ける機会が増えていた。
      3. 情報システム部門のリソースが限られており、全社統合ファイルサーバーを導入しても、全社員に対する運用管理に対応しきれないことが懸念されていた。
  • After
    • 効果
      1. 多くの製薬企業で運用実績のあるBoxの、各種フォルダ/データへの多様なアクセス権限ポリシーの適用により、全社で統一された基準でセキュアにファイル共有が行えるようになった。
      2. Boxはグローバルでの医薬向け第三者認証を取得済みなので、将来はGxP文書も管理していくことも視野に入れてのファイル管理ができるようになった。
      3. オンプレミス・サーバーのメンテナンスや障害対応に労力が掛からないため、限られたリソースで運用管理を円滑に回せている。

導入の背景・経緯

メール添付や部門管理による情報共有の限界

  • 情報共有の手段は、メール添付やファイルサーバー、ネットワーク接続ハードディスク(NAS)、USB接続ハードディスクなどアナログ的な手段によるものだった。特に物理ディスクの場合は、紛失による情報セキュリティリスクが懸念されていた。
  • 部門を跨いだ情報共有には、某社旧グループウェアを用いていた。これには、各部門の管理者に一切の運用が委ねられていたため、管理者交代による運用引き継ぎ漏れやメンテナンスの負荷が課題になっていた。
  • 販促資材を制作する部門では、印刷会社とのデータを頻繁にやり取りしていたが、容量が重いためメールに添付できないこともあった。
  • そうした背景から、コーポレートで平準化された運用による、全社統合ファイルサーバーの導入を検討することが必要になった。

現場から湧きあがってきた、医薬品業界の規制に対応したファイル管理

  • 情報システム部が、全社のファイルサーバーを検討している一方で、臨床開発部門や製造部門から、GxP規制に対応した文書管理を行いたいとの相談を受けていた。
  • そこで全社ファイルサーバーだけでなく、GxP規制対応に必要なオプションモジュールやバリデーション活動を行うことで、規制文書管理にも使えるシステムを探すことになった。

導入製品を選択した理由

システム管理者の人員が限られているからこそ、
管理の負担が少ない「クラウドストレージ」を選んだ

  • 情報システム部で、システム管理に割ける人員リソースが限られており、オンプレミスのサーバーを導入し続けると、障害発生時の対応などが困難になると危惧されていた。
  • そこでクラウドストレージに絞って、サービスをリサーチした。
  • 現場が「医薬品業界で利用実績が多いシステム」という噂を耳にし、Boxが候補に上がってきた。

製薬企業での豊富な実績と、医薬品業界の規制に対応している点が導入の決め手

  • 一般消費者向けのクラウドストレージサービスが多い中、Boxは医薬向け第三者認証を取得済みの法人向けサービスである。これは製薬企業にとって、他サービスにはない、大きな利点と考えた。
  • 複数のクラウドストレージサービスについて機能を比較したところ、操作感では殆ど差がつかなかった。機能よりも、セキュリティの高さや業界での実績を重視して、サービスを選定した。
  • 医薬品業界で事実上のデファクトスタンダードとなっていたBoxを利用することで、同業界内での情報共有における利便性と信頼性が高まると考えた。

CTCから導入支援を受けると、製薬企業における運用のベストプラクティスを享受できる

  • Boxの販売代理店の大半はライセンス販売のみで運用支援は提供していない。それに対してCTCは、製薬企業へBoxを多く導入した豊富な経験から、医薬品業界における運用のベストプラクティスに基づく導入支援サービスを提供している。これが、最大の魅力だった。これにより「クラウドシステムを初めて全社展開するが、何から手を付ければ良いか分からない。」という不安が払しょくされた。

導入のポイント

過去に全拠点行脚で培った人脈を生かし、現場を巻き込み!実業務に即した運用を策定

  • 過去に、意識して全国拠点の現場との人脈を築いていたことが役立った。具体的には、各部門に少なからず居る、ITに興味の高い人物に「Box使ってみませんか?こんなにいいメリットがありますよ。」と話を持ちかけ、コアメンバーとして先行導入を促した。
  • 先行導入期間中にコアメンバーから意見を吸い上げ、CTCと共に策定した運用をブラッシュアップさせた。
  • カットオーバーする頃には、操作に慣れてきたコアメンバーが、Box利用の推進役として部門内で働きかけてくれた。
  • CTCからの導入支援サービスにより、機能紹介のレクチャを受けただけで、Enterprise設定(フォルダー構成やアクセス権限付与などの設定)における推奨パラメーターを容易に把握できた。先ず機能をインプットしてから、富士製薬で意思決定するという進め方により、業務文化も継承したリーズナブルな運用設計ができた。また、短期間導入にも有効だった。

現場の興味をそそるメリットを打ち出し、
“ゆる~く”利用をおススメしながら、口コミを広げていった

  • 決して焦ることなく、エンドユーザーの利用状況を見ながら、メリットを小出しにしていった。
  • Boxの特長である「容量無制限」が、具体的にどのようなシーンで威力を発揮するか、分かりやすい例を用いて説明するようにした。例えば、全社で業務PCをWindows 7から10へ入替えた時には「各自が保有するファイルについて、容量を気にせず“とりあえず”Boxに置いてといてください。そうするとデータ移行要らずで、Windows10へすぐに切り替えられて、とっても楽ですよ。」と説明。これが現場に響き、自ずとBoxを使っていく流れに誘導できた。
  • ローカルPCにファイルを残した状態よりも、Boxにファイルを置いた方が、セキュリティが高いことが現場に理解してもらえ、徐々にBoxへファイルを保存する文化が浸透していった。

肝となる「Webインターフェースに慣れること」には、妥協しなかった

  • 最初はWebアプリケーションによるインターフェースの違いに、戸惑うエンドユーザーもいた。しかし、Boxを快適に使えるようになるには、Webインターフェースへの慣れが不可欠のため、時間が掛かってでも辛抱強く見守ることにした。
  • いきなり既存システムを廃止するのでなく並行運用しながら、エンドユーザーが自発的にBoxを使いたくなるような社内プロモーションに注力した。とことん現場の方の思いや立場を何よりも大切にした。

全てシステム化するのが正解ではない、アナログの良いところは敢えて残した

  • Box上の、プロジェクトフォルダーの編集権限付与や、外部組織とのファイル共有は、紙の申請書を必須としている。申請書を印刷し押印するというステップを踏むことで、申請者と管理者がファイル共有の重大さを再認識することができている。
  • 申請書に、情報共有先の外部組織名やデータ保管期限を明記させることで、情報システム部が「適切な共有先かどうか」について事前にチェックできている。また、保管期限を超えたデータについては、定期的に棚卸し、整理できる流れができた。

導入の効果

古崎 輝也 様

富士製薬工業株式会社
コーポレート企画部 経営管理グループ
システム統括課 リーダー
早川 健 様

  • Box導入により、サーバーのお守りから解放されて、現場からの問合せ対応やメンテナンス負荷が減り、業務が平準・効率化しました。
    利用者のログをチェックしていると、日本国内だけでなくヨーロッパやタイなどの海外出張先でも、使われていることが分かりました。私自身も、会議の議事録作成のマストアイテムとして利用しており、Boxから離れられなくなってきていることを実感しています。

ファイルを「送る」から「共有する」へ、高まるセキュリティへの意識

  • Box上のファイルを取り出すのではなく、保管場所のURLを共有する運用が定着していった。これにより、シャドーITによる情報セキュリティリスクが低下。
  • 容量無制限のメリットを理解したエンドユーザーが、Box上にファイルをどんどんアップロードしていくようになったため、PC入替作業がスムーズになった。
  • PCではあるが、ローカルにファイルが保存されないので、シンクライアントのようにセキュアな運用ができている。

システム管理者の業務を助けてくれるBox標準機能

  • クラウドストレージのため、オンプレミスサーバーに掛かっていたメンテナンス業務から解放された。
  • 一方で、アクセス権限付与などBox特有の新たに増えた作業もあるが、BoxのGUIが分かりやすく、テレワークの社員に当作業をアサインでき、上手くリソースを回せている。
  • Box上ではファイルの最終更新日などでの検索ができるため、年一回の棚卸時に、休眠状態のフォルダーやファイルなどを瞬時に洗い出せて、メンテナンスしやすい。暫く更新されていないファイルは削除する、という運用にも役立っている。

直近8ヶ月間で、右肩上がりに利用が増加し続けている

  • CTCによるカスタマサクセスマネジメント(CSM)サービスで提供されるレポートには、エンドユーザーのファイルプレビュー数やアップロード/ダウンロード数、Box Editなど各ツールの利用回数が分かりやすく可視化されていた。システム管理者にとって、全社の普及度と傾向を把握できたので、価値ある情報だ。
  • 年度末やPC入替時などの節目には、全社でファイルアップロードがピークになっていた。この事象から、エンドユーザーが、業務引き継ぎ資料などをBoxにどんどんファイルを保存している実態が明らかになり、予想以上に利用が進んでいることが分かった。

複数のユーザーが同時にドキュメント編集可能なツール「Box Notes」で
働き方改革を実践

  • Boxからファイルをダウンロードするのではなく、Box上で直接ファイルを編集する文化が根付くことで、ファイルの散在を防げている。
  • 利用上級者は、メンション機能(コンテンツにコメントを書き込み、指定したユーザーにメールで通知する機能)まで使いこなしており、Boxを中心としたコミュニケーションまで利用が広がっている。
  • BoxNotesのおかげで、会議のアジェンダ共有や議事録作成がリアルタイムで行えるようになり、時間短縮のみならず、認識齟齬も排除できるようになった。標準機能をベースに運用をブラッシュアップさせることで、どんどん業務が効率化していった。
会議でのBox活用シーン

今後の展望とベンダーに期待すること

エンドユーザーのニーズを汲み取り、より利便性を高めたシステムにしていきたい

  • エンドユーザーから「Boxにこういった機能が欲しい。」や「このモジュールと連携させる予定はないか?」といった問合せを受けるなど、Boxに対する期待が高まってきている。こうした問合せからニーズを汲み取り、利便性を高めていきたい。
  • 全社員にスマートフォンを支給するタイミングで、モバイルアプリによるBox利用を案内し、働き方改革を促進していく。
  • 地方都市のMRには、事務所に帰ってこなくても、移動中に手直しした営業資材を印刷したいというニーズがある。コンビニに立ち寄ればBoxのコンテンツを手軽に印刷できるという運用を実現させたい。
  • サードパーティツール連携などによる機能拡張で、エンドユーザーの興味を引き、あらゆるコンテンツの格納を促していきたい。

Box導入が縁となり付き合いが始まったCTCには、これからも“尖った提案”に期待

  • 長年、従事してきた情報システム部門の業務を通じて、多数のIT企業から、さまざまな商材の紹介を受けてきた。なかでもCTCからは、他社とは目の付け所が違う、面白い話を聞けるので一目置いている。これらは新規アイデアのひらめきや、業務解決のヒントに繋がっている。今後もCTCには、尖った提案に期待している。

導入企業様の情報

富士製薬工業株式会社

本社住所
富士製薬工業株式会社
〒102-0075
東京都千代田区三番町5番地7 精糖会館 6F
URL
https://www.fujipharma.jp/ window open

※部署名、役職名、その他データは、取材時(2019年3月19日)当時のものです。

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