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イベントレポート2017/12/22

CTC、データインテグリティーセミナー(東京)を開催

セミナーの様子

2017年10月25日(水)、東京都千代田区のフクラシア丸の内オアゾで、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は、パートナー企業であるインテグリティ・ソリューションズ株式会社と株式会社シグマクシスの協力の元「データインテグリティセミナー」を開催しました。
近年、海外規制当局における査察では、データインテグリティに関する不適合指摘が急増しており、データインテグリティに関するガイダンスが相次いで発出されております。こうした背景を受け、製薬企業ではデータインテグリティ対応への速やかな対応が求められてきています。
本セミナーでは、株式会社シグマクシスとインテグリティ・ソリューションズ株式会社から、データインテグリティの規制要件や規制当局の見解、データインテグリティ要件に対応したシステム導入のメリット、創薬領域に導入したシステムのデータインテグリティ対応に横展開する際のポイントについて講演いただきました。CTCからは、CTCグループの総合力を生かした、アプリケーションからインフラ基盤までカバーしたワンストップのデータインテグリティ対応ソリューションをご紹介しました。
本セミナーは定員の80名近くのお客様が来場されるなど、データインテグリティへの興味度の高さがうかがえました。

基調講演-1 データインテグリティの要点とその対応ポイント

講演者:株式会社シグマクシス プリンシパル 新井 洋介 氏

新井 洋介 氏

日本PDA製薬学会など各種関連団体に所属し、研究開発プロセスの電子化推進を専門分野としてご活躍されている、株式会社シグマクシス 新井氏より、データインテグリティの定義など、基礎的な内容から関連ガイドラインの要点、各社におけるデータインテグリティ対応に向けた検討方法やシステム導入のメリットなどについて詳しく解説いただきました。

近年、医薬品産業分野において、海外規制当局による査察では、データインテグリティに関する不適合指摘が急増しております。また、MHRAが2015年3月、GMP向けデータインテグリティのガイドラインを発出して以降、FDA、WHOなど各規制当局や関係機関から、関連ガイダンスが相次いで発出されています。そのため、各製薬企業においては、最新設備の導入やITシステムの整備(新規システム導入・既存システムの改修)が進んできています。また、これらの適切な運用・管理には、業務プロセスの見直し・改善も必要となることが多く、企業全体としてデータインテグリティ対応に取り組む姿勢が重要となってきています。
データインテグリティの必須要件とは、ALCOA原則に従うことです。実験記録には「紙(手書き)データ」と「電子データ」がありますが、いずれの場合でも、各ガイダンスに記載されるよう、データインテグリティの要件は等しく適用されます。例えば、紙データでは記録した個人を特定するため(Attributable)に手書き署名が行われるのに対し、電子データでは電子署名が用いられます。
そのためデータインテグリティ対応に向けて、紙データと電子データの運用それぞれのメリットや注意点を考慮して、検討していくことが重要となります。迷ったときはガイダンスの要求にいつでも立ち返り、自社でリーズナブルな運用を見越したうえで、システム導入(または改修)がどこまで必要かどうかリスクベースで見極める必要があるでしょう。
新井氏は講演の最後に、研究領域ではどのような側面でデータインテグリティ対応が必要となるかについて見解を述べました。ALCOA原則しかり、研究領域かGxP領域かによらず、データの完全性や不正防止といったコンプライアンスの観点では、データインテグリティは決して新しい概念ではありません。しかし、近年この話題への注目度の高さは、複雑で多様性に富む業務を行う製薬企業にとってデータインテグリティ対応が、いかに難題かを示すものとなっています。

今後も、株式会社シグマクシスとCTCは協力体制のもと、お客様の課題解決に向けて支援していけるよう、データインテグリティを推進してまいります。

基調講演-2 GxP対象外の研究領域における電子実験ノートのDI対応とCSV

講演者:インテグリティ・ソリューションズ株式会社 シニア・コンサルタント 末永 達也 氏

本ご講演内容のレポートは近日公開予定です。

データインテグリティ対応ソリューション(アプリケーションパート)

講演者:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 流通・エンタープライズ事業グループ ライフサイエンス事業部
技術開発部 技術第1課 エキスパートエンジニア 荻野 喜代裕

荻野 喜代裕

創薬研究領域のシステム開発・導入の経験を持ち、近年はデータインテグリティ対応のための電子実験ノートを中心としたソリューション導入に携わる荻野より、CTCが提供するデータインテグリティ対応ソリューション(アプリケーション)について講演しました。
これまで創薬研究領域では、化学系の電子実験ノートや、分析・生物評価系のデータ登録システムが主に導入されてきており、業務の効率化や実験ノートによる適切な記録・知財の保全対策ではこれらは顕著な成果を上げてきました。しかしこれらのシステムはデータが発生する一連の流れを全てカバーしているものではなく、「実験を開始するまでの計画準備段階」や「実験データの解析以降」などで特定の段階のみを支援しているものが多く、実験における生データが発生してから解析に至るまでのデータ受渡しについては、未だ研究者の手作業により運用されるケースが多くあります。この手作業による生データの受け渡しは、各社の研究者が標準業務手順書(SOP)を規定し、それに従い適切にデータを扱うという運用で行われていますが、人が介在している以上、意図しないミスの発生や、業務間の生データの取扱いに運用ルールのバラつきは課題となっています。しかし、近年は規制当局より、データインテグリティに関わる指摘事項には、生データに関連する不適合事例も軽視できない割合で発生しています。
そこでCTCは、発生した実験の生データを取り込む段階で、起こり得る課題を掘り下げて検討しました。先ず、ノギス・天秤・顕微鏡・HPLC・プレートリーダーなどの測定機器には、目的及び出力データの形式(紙データや電子データ)が多種多様という特徴があります。紙データで出力された場合、目視と手作業によりExcelへ転記する必要があります。一方、電子データで出力された場合は、研究者がUSBメモリに生データをコピーし、手作業で個人PCに移動させてから解析に用いるなど、手作業の段階でヒューマンエラーや改ざん、オリジナルの生データ紛失など多くの潜在的リスクが考えられます。

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そこで荻野は、前述した実験の生データを電子実験ノートに取り組むための様々な実現方法について例を挙げて紹介しました。先ず認識すべきことは、あらゆる測定機器やプロセスを全て繋げて、全自動化する夢のようなソリューションは存在しないということです。しかし、既存の機器と電子実験ノートとをつなぐ場面で、多少の技術的要素を加えることで、生データ取り込みに関する様々な課題を解消していくことが可能になります。
IDBS社電子実験ノートE-WorkBook ELNを用いて電子天秤やpHメーターなどの機器が測定したデータを直接取り込みするところなど、デモで披露しました。この臨場感あふれるデモ内容には、近年Webバージョンで洗練されたE-WorkBook ELNのビジュアルも相まって、お客様の目を引き、興味を持ってご覧いただくことができました。

CTCは製薬企業の業務に対する深い理解に基づき、実験の生データ取り込みだけでなく、データインテグリティに関する様々なポイントを支援するソリューションを提供します。

データインテグリティ対応ソリューション(インフラパート)

講演者:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 流通・エンタープライズ事業グループ ライフサイエンス事業部
技術開発部 エキスパートエンジニア 花岡 宏隆

花岡 宏隆

CTCで長年に渡り、数多くのインフラ導入案件を手掛けてきており、最先端のインフラ技術を取り入れた提案に定評のある花岡より、インフラ面でのデータインテグリティ対応について講演しました。2017年4月、旧CTCライフサイエンス株式会社はCTCに合併し、ライフサイエンス分野におけるITシステムを提供する専業部門「ライフサイエンス事業部」として新たなスタートを切りました。これに伴い当事業部は、製薬始めライフサイエンス企業向けに、インフラを含めたアプリケーションをワンストップで提供できるという強みに磨きをかけ、昨今活動してきています。本講演で花岡は、先ずアプリケーションだけでなくインフラにおいても、データインテグリティ対応で考慮すべき点があると問題提起しました。その上で、最新のインフラ技術によりALCOA原則に関わる要点をおさえることで、より堅固なデータインテグリティ対応が実現すると解説しました。

電子実験ノートなどのアプリケーションを利用するエンドユーザーにとって、普段からインフラを意識することは少ないでしょう。しかしシステムとして考えると、本来アプリケーションとインフラは切り離せない関係にあります。そのため、データインテグリティ対応では、この両面から同時に検討していくことが重要となります。
エンドユーザーにとっては馴染みの薄いインフラですが、データインテグリティ対応において特別な要件が加わるわけではありません。あくまでも、ALCOA原則に従うことが軸となりますが、そのうちいくつかはインフラの技術要素で満たすことが可能でしょう。最近のCTCによる検討で「データの長期保存」と「アクセス管理」の要件に焦点を当てたところ、「古いデータがどこにあるか分からない」・「データ量が急に増加したが、ディスクがいっぱいで急な対応ができない」・「限定公開のプロジェクトフォルダーに、既にプロジェクトから外れた前任者がいまだにアクセスできてしまっている」といった課題が浮かび上がりましたが、これらは正にインフラ技術で解決可能な課題の代表例です。
先ず課題解決に導く技術の一つとして、「ストレージ」が挙げられます。ストレージの標準機能により、一度記録したデータには一切変更削除ができないよう設定ができます。例えば生データと加工データとの保存領域を分け、生データの領域には削除更新を不可にし、加工データの領域には、変更可能だがファイルに対する変更操作が監査証跡ログに残るという運用が可能となります。またメディアの種類は、フラッシュディスクや従来のディスク、テープ装置に分類できますが、それぞれが持つ長期保存性やコスト、アクセス速度など異なる利点を考慮して、保存するデータの種類により、どのメディアを用いるかを検討することが重要です。
次に「ID・アクセス管理」もデータインテグリティ対応で大いに活躍する技術の一つです。これを駆使することにより、IDのアクセス制御が行え、ログインやアクセスの履歴が取得できるようになり、不正・改ざん防止(或いは、不正が行われていないことの証明)のための有効な手段となります。

花岡は講演内で、ストレージとID・アクセス管理に関する具体的な製品ラインナップについても紹介しました。CTCは、マルチベンダーの強みを生かし、お客様の業務をインフラとアプリケーションの両面から支えていきます。

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