製品トピックス2018/10/25
World Alzheimer’s Day:疾患のスナップショット
原文:https://www.ta-scan.com/world-alzheimers-day-2018/
訳文:毎年9月21日はWorld Alzheimer’s Dayです。進行性の脳疾患で、記憶や思考能力が障害を受けるアルツハイマー病について、他の精神機能と共に考えてみましょう。重要なのは、この疾患は患者さんご本人だけでなく、患者さんを愛する周囲の人たちにも、多くの影響を与えてしまうということです。そのため、我々は症状の解消に向けて取り組まなければなりません。
現在アルツハイマー病は、欧米における認知症で最も高頻度で発症している疾患です。米国だけで550万人以上、全世界では推定2,400万人を超える患者がいます。
治験とスポンサー活動
ta-Scanを用いることで、ここ数年で著しく進歩してきた現在の臨床研究の概要を迅速に把握できます。現在進行中である臨床試験525件のうち、275件が過去2年間に開始されたことから、引き続きこの疾患領域に注力して開発が進められていることが分かります。
多くの大手製薬企業が大規模な治験を行っているものの、アルツハイマー病は非常に複雑で難解なため、殆どの治験が初期研究段階にあります。
ta-Scanによる解析から、Eli LillyやRoche、Johnson&Johnsonが同分野でトップ3のスポンサー企業であることが分かります。しかしここ数年で、Biogen(Eisaiとの共同研究)、Otsuka(Lundbeckとの共同研究)、Cognition Therapeutics(臨床活動の急激な増加を示している)が新たに加わりました。
治験施設とサイトインベスティゲーター
ta-Scanは、アルツハイマー病罹患者を登録している500以上の治験施設と、当疾患の治療を研究している、500人以上の世界中のサイトインベスティゲーターを特定できます。
下図は、全世界における治験施設とインベスティゲーターの数・位置を示していますが、北米とヨーロッパだけでなく、アジア太平洋地域にも高密度で患者が分布しており、この世界的疾患の重症度を再認識させられます。
治療
長年に渡り、アルツハイマー病治療薬の最適な標的を何にすべきかについて、様々な学説が存在しています。しかし現在、2つの主要な学説まで絞り込まれています。
1.未だ活発に議論中である、タウ蛋白質仮説。今後数か月は、以下の開発医薬品に注目してください: ABBV 8E12(Abbvie)やBIIB 092(Biogen)、ACI-35(Johnson&Johnson)、AADvac1(Axon Neurosciences)
2.製薬企業スポンサーの大多数が支持している、アミロイド仮説。この学説には、過去多くの医薬品が開発されましたが、これらのいくつかは、安全性または薬効に問題があり開発中止を余儀なくされました。Johnson & Johnsonは、atabecestatが開発中止となった最新の候補医薬品です。将来的に有望な成果をあげている薬剤:BiogenとEisaiのBAN2401は、現在Phase2まで進んでおり、今後注目すべき薬剤の1つです。
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