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    Biorelevantな溶解度及び溶出試験を自動で行うシステム

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Biorelevantな溶解度及び溶出試験を自動で行うシステムです。溶解度測定では、生体での現象に近い過飽和現象を解析します。溶出試験では、種々の生体現象に合った環境下での実験を可能にします。

コンセプト

  • BA(バイオアベイラビリティー)の低いAPIのBA向上には高度な製剤技術が必要
  • 薬物動態分野において、製剤技術が重要視されている
  • 要求される暴露レベルを果たすために、製剤向けの種々の添加物共存下におけるAPIの物理化学的な理解が必要
  • 製剤化の過程では、APIの溶解度及び溶出現象に深い理解が求められる
コンセプト
コンセプト

既存システム

U. S. PHARMACOPEIA溶出試験装置

U. S. PHARMACOPEIA 溶出試験装置

薬局方(USP)では通常、試験液:900mlを用いて溶出試験を実施します。

TIM : GITモデル

予測性能は高いが、高価で使用者には高い技術が必要

図:TIM-1 : 胃及び小腸におけるシュミレーション
図:TIM-1 : 胃及び小腸におけるシュミレーション
図:TIM-2 : 大腸におけるシュミレーション
図:TIM-2 : 大腸におけるシュミレーション

本システムの他にもいくつかの類似システムがあります。予測性能は高いですが、機器自身が非常に高価であり、使用者には高い技術が要求されます。

輸送モデル

過飽和現象、析出、胃からの溶出に応用

輸送モデル
輸送モデル

人工胃、十二指腸モデル

自家製、市販されていない

人工胃、十二指腸モデル

inForm概要

inForm の性能

  • Biorelevantな溶解度の測定及び溶出試験を行える製剤開発ツール
  • 製剤段階を含め、創薬過程での使用も考慮
  • 胃や小腸のbiorelevantな環境下における、製剤の挙動を理解することができる
  • 複雑な媒体中に共存するAPIの量を正確に定量する分析技術
  • 自動化されたプラットホーム上で実験計画書の作成も可能
装置としての具体的な性能
  • 小腸各部のpHの値に呼応して、測定系のpHを種々変更することができる。
  • 測定中の種々の段階で、自動で、溶液或いは生物学的メディアを導入することができる
  • 2つのプローブパーツを持つことで、同時に2か所(例えば、水槽と有機層(組織を模倣))のUV測定が可能。同様にサンプリングも可能
  • 実験計画書の仕様に柔軟性がある。ソフト自身のハンドリングが優れている
  • 自動化箇所が多い
    • 錠剤の自動セッティング
    • アッセイバイアルの自動セッティング
    • リピッド或いはSIF、その他の溶液を自動で導入
    • pH値を逐次測定できる
    • 実験温度の監視と調節
    • 別の分析システムとのリンク

8つのディスペンサーが、塩基バッファー、生物試薬等を、種々の段階で正確に注入します。2つのアームが、チューブの移動、測定等の作業を、すべて自動化しております。2つのUVプローブを持つことで、同時に2環境(例えば、水層有機層)の測定が可能です。

SiriusT3との比較

SiriusT3 :
  • 微量のサンプル量(solid, 0.5mg 窶錀 10mg或いは10mM DMSO溶液)。反応液の体積(2 窶錀 4ml)
  • pKa, LogP/D, solubilityの測定
  • 詳細な溶解度測定(速度論的溶解度を求めた後、強制的に熱力学的溶解度測定を行う)、及び溶出試験
  • 自動化されたスループットスクリーニング
inForm :
  • サンプル量(solid, 数10mg)。反応液の体積(45 窶錀 90ml)
  • pKa測定及び詳細な溶解度測定(速度論的溶解度を求めた後、コントロール下で過飽和の時間経緯を求める)
  • 2フェーズ状態での溶出試験
  • Biorelevantな溶解度及び溶出試験
  • スループットスクリーニング向けではない

従来機SiriusT3後継機InFormは相補的に使用することができます。

SiriusT3 CheqSol

SiriusT3 CheqSol

T3kinetic solubilityを記録後、intrinsic solubilityを求めるべく、強制的にCheqSol作業へ移行しますが、InFormでは、どの程度の時間、過飽和現象が続くかを測定することができます。上図で2の過程を強制的に推移させるのが、従来機SiriusT3で、2の自然な推移を解析するのが後継機InFormです。

inFormによる溶解度測定

測定項目(対象:chaser)

  • 溶解度(速度論的溶解度と本質的溶解度)と析出割合
  • 過飽和の程度と時間
  • 過飽和割合
  • 溶解度に影響を及ぼす添加物の効果
  • 析出形態(結晶或いはアモルファス)の解明

inFormによる溶解度測定(過飽和現象)

inFormによる溶解度測定(過飽和現象)

過飽和現象を示さない化合物はグラフ上のの経路をたどります。過飽和現象を示す化合物は或いはの経路をたどります。の経路をたどる化合物でも、析出を阻害するような化合物が共存しますとの経路(パラシュートアプローチ)をとるようになります。

inFormによる溶解度測定(強制的)

Papaverineの通常のCheqSolアッセイ

初めて析出が見られた(ピンク色の測定点)後、装置自身(T3)が強制的(滴定操作)に熱力学的に安定な溶解度へ移行させる。

T3kinetic solubilityを記録後、intrinsic solubilityを求めるべく、強制的にCheqSol作業へ移行しますが、InFormでは、どの程度の時間、過飽和現象が続くかを測定することができます。

inFormによる溶解度測定(コントロール下)

  • 結晶が析出し始める前のpH(6.3)で滴定を止める(Time Zero)。
  • モニターを見ながら放置する。
  • 一定の時間後に析出が始まる(Induction Time)。
inFormによる溶解度測定(コントロール下)

InFormを用いた溶解度測定では、過飽和現象の程度(Extent)及び過飽和現象が持続する時間(Duration)を評価することが出来ます。

inFormによる溶解度測定(コントロール下)
inFormによる溶解度測定(コントロール下)
Compound Supersaturation
ratio
Induction
time (s)
Precipitation
half-life (s)
Papaverine 13 503 198
Papaverine 7 944 385
Papaverine 4 3837 1308
Homogeneous nucleation mechanismを示唆する
inFormによる溶解度測定(コントロール下)

inFormによる溶出試験

  • 通常の十分の一程度のスケールで、溶出試験を実施できる(通常の装置で、溶液の体積は900ml程度)
  • pHを変えて、その影響を見ることができる
  • 溶解しているAPIの量に対する、添加剤の影響を見ることができる
  • Biorelevantな環境を設定した実験結果が得られる
  • 2層系における溶出試験の結果が見られる

局方記載の方法の1/10のスケールで溶出試験を実施できます。
生物現象に近い種々の環境(例えば、人工腸液共存下等)が設定でき、そのような環境下での溶出試験が実施できます。
各消化管臓器のpHを設定することができ、その影響を見ることができます(もっとも基本的な測定)。
2層系の溶出試験における脂質層は、実際の小腸における吸収をイメージしております。

inFormによる溶出試験(2層系溶出試験)

  • 難溶性サンプルの溶出試験に適合
  • 吸収を考慮した溶出試験を模倣できる

2層系における溶出試験例です。

inFormによる溶出試験(ヒトの胃や腸管を模倣した溶出試験)

  • 左下図:透明な三角印は、その付近で析出があり、UV データが不安定であることを示している。
    一方で、右下図はSIFの影響でサンプルの析出が見られない。
  • SIF : simulated intestinal fluid (FaSSOF : Fasted States Simulated intestinal Fluid, pH = 6.5).
    cf. FeSSIF

人工腸液が共存する場合の溶出試験例です。

inFormによる溶出試験(脂質分解)

  • 難溶性サンプルのバイオアベイラビリティーは、そのサンプルを脂質マトリクスに製剤化することで改善する可能性がある
  • サンプルを抱え込んだ脂質マトリクスは、小腸でまず、脂質成分が酵素で消化され、放出されたサンプルは吸収過程へ移行する
  • 脂質マトリクスを構成する脂質成分の消化の割合と化合物の吸収の割合のバランスが保てると、効果的な製剤が完成する
  • 溶液のpH、粘性、添加物によって変動する、脂質マトリクスを構成する脂質成分の消化の割合を求めることで、状況に合致した優れた脂質マトリクスを創成することができる
  • inFormはpHを一定に保った条件下で、脂肪酸の放出状況をシミュレーションする

脂質マトリクスの種類により、構成要素であるFFAの遊離速度が異なる

脂質マトリクスの基本的な動作を確認することができます。

図:脂質マトリクスの種類により、構成要素であるFFAの遊離速度が異なる

inFormによる溶出試験(その他)

  • 試験にも因りますが、サンプルの必要量は 5-200mg
  • バッファーの必要体積は20-80ml(複数の添加物を加えるため、20ml以下は困難)
  • 溶出試験時、サンプル溶液をフィルター濾過する機能が搭載されている

inForm(その他)

  • 正確なディスペンサー装置
  • 実験温度の正確なコントロール
  • 溶解用の超音波バス搭載

inFormまとめ

  • 創薬、製剤の段階で化合物の消化管における挙動を予測する有用なツールである
  • 高度に自動化されており、biorelevantな溶解度の測定及び溶出試験を実現する
  • 2層系の溶出試験を実現。有機層は組織をイメージする
  • 消化管で実際に起こっている過飽和現象、析出過程を解析する
  • 脂肪分解試験の解析

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