製品トピックス2020/6/1

レミゼラブルとデジタルワークプレース

データアクセスを最適化すると、ソフトROIとハードROIが見えてくる

著者:Stephane Kirchacker レミゼラブルとデジタルワークプレース/データアクセスを最適化すると、ソフトROIとハードROIが見えてくる

レ・ミゼラブル?鐘を鳴らす?

もちろん! これはヴィクトル・ユーゴーの有名な作品で、ストーリーも素晴らしいですよね。しかし、デジタルワークプレイスと何か関係があるのでしょうか。ある有名な引用文と、デジタルワークプレイスとの類似性について考えてみましょう。それは、ジャン・バルジャンとコゼットが庭付きの家に住んでいる時代の章に出てきます。そこにはヴィクトル・ユーゴーが、自然の多次元性を探求する姿を垣間見ることができます。筆者が気になったのは、次のような問いかけです。

“Where the telescope ends, the microscope begins. Which of the two has a grander view?”(望遠鏡が終わる所には顕微鏡が始まる。どちらがより広い視野を持っているのだろう?)

この引用は、デジタルワークプレイスにおける、特にデータアクセスと類似していると想起させ、私の心に響きました。大規模で多様なコンテンツにとって、関連性のあるタイムリーな情報を得ることは企業にとって非常に重要です。データを参照するには様々な方法があり、それぞれに見込まれるROIの種類は全く異なります。

望遠鏡 - 宇宙の彼方まで見通す

そもそもデジタルワークプレイスとは、何を意味するのでしょうか。これは、内部のデータサイロを取り壊し、グローバルな情報を組織全体に展開することを意味します(ポリシーや手順、人事情報、コンプライアンスなど、全従業員に共有すべきあらゆる情報)。そのため、企業のコンテンツと従業員とを結びつけるエンタープライズサーチレイヤーを含む、デジタルワークプレイスを持つことは非常に重要です。全ての従業員が、広範な異なるリポジトリデータにアクセスできるようになります。またアクセスしたデータは、誰もが利用できるようになり、誰もがそこから情報を得られるようになるのです。

しかし、このようなエンタープライズサーチの利用は、高度なビジネスの特異性をもたらすものではありません。これは、マーケティングや営業、エンジニアリング、経理などの業務に特化しない、シンプルなインターフェースによる、典型的なGoogleライクなエクスペリエンスです。 ビジネスユニットを横断して複数のオーディエンスに対応する「水平型アプローチ」は、多くの従業員が情報を見つけることでその価値を見出すことができるため、この場合のROI(投資対効果)は、企業の生産性に対する全体的な改善に基づいています。 マッキンゼーによると、従業員は情報を探すのに1日2時間近くを費やしているといいます。このような従業員への支援強化は、生産性の向上に加えて、企業文化や従業員の福利厚生にも良い影響を与えます。 これが ソフトROIと呼ばれるものです。 ソフトROIは測定が容易ではなく、それを示す投資対効果検討書(ビジネスケース)も信頼し難いといえるでしょう。そのため間接的なメリットと考えられています。とは言え、生産性の向上を通じて、節減に繋がったドルを見積もることができます。 シンプルな情報検索の仕組みによるROIの主な仮定には、従業員数や平均給与、節約された労働時間の割合などが挙げられます。 30,000人の従業員で構成される企業のROIを算出したサマリーは、以下の通りです。

ROIテーブル

ユーザー数が多く、時間の経過とともに効率が向上するよう、ユーザーに適応させる強化スケジュールを想定しました。上記の例でROIは、3年間で1,300万ドル近くまで見込まれています。

顕微鏡-あなたの隣にあるものを探る

これはデジタルワークプレイスにどのように反映されるのでしょうか?この検索能力は、日々の業務で集中的なナレッジワーカーの支援に大いに役立つと考えられます。 「ナレッジワーカー」という用語は、ピーター・ドラッカー氏により提唱されました。同氏はナレッジワーカーを、高度なデータ収集技術や統計、複雑な相関関係、ケーススタディなどを使いこなすハイレベルな労働者であると定義しました。データは、彼らが業務を遂行する上で重要な鍵を握っています。 そしてエンタープライズサーチ技術は、このような状況にも有用なのです。

シンプルなGoogleライクなエクスペリエンスとは対照的に、ここでの目的は、業務に特化したナレッジでカスタマイズされた「検索ベースのアプリケーション」を設計することです。その価値は、業務の主要なフェーズに沿って、ターゲットとしているビジネス機能を支援する能力にあります。 構造化されたコンテンツと非構造化されたコンテンツの両方から得られる、多様性に富んだデータをインデックス化して集約し、情報の塊を抽出し、(製品、顧客、会社など)特定のトピックについて統合されたビューを提供できるのは、エンタープライズサーチしかありません。例えば、銀行のアドバイザーの場合、市場分析やニュースなどの外部データだけでなく、決済やCRMからの情報、取引履歴などの内部データを集約して、その顧客にとって関心の高い商品を提案することが重要です。 このROIはもはや(対象となる)人数の多さではなく、明確なビジネスプロセスの改善に関係しています。 そのためには、「業界、ユースケース、ペルソナ」の三面において、特定のユースケースに関する、正確なナレッジワーカーのグループをターゲットにしています。

大手製薬会社の臨床試験を例に挙げてみましょう。 臨床試験とは、新薬の評価を目的とした研究です。 新しい治療法が、安全かつ効果的かどうかを研究者が見極めるための重要な評価方法です。その場合、先に述べた三面は「製薬、臨床試験、研究者」となります。この目的に特化した「検索ベースのアプリケーション」は、何百万ものファイルや複数のシステム、アプリケーションに分散している臨床データを掘り下げ、新薬の評価を支援するインサイトを明らかにするように設計されています。このエンタープライズサーチの技術は、新薬の市場投入までのスピードを向上させました。 製薬業界では公知の事実ですが、新薬開発には平均10億ドルものコストを要するため、プロセス全体におけるわずかな改善が、すぐに利益率の改善に繋がります。これがハードROIと呼ばれるものです。 このタイプのROIは、ドルで定量化が可能な明確な指標を示します。上述の製薬会社がどのようにしてROIを算出したか理解していただくために、以下にいくつかの仮定を示しました(ご参考までに、臨床試験には3つの主要なフェーズがあります)。

  • 第1相に移行する薬の10%~14%が成功する
  • 第2相に移行する薬の31%が成功する
  • 第3相に移行する薬の50%が成功する
  • 32%の薬が第3相試験に移行
  • 治験に掛かる平均コスト-第1相:1億7,000万ドル、第2相:4億ドル、第3相:5億3,000万ドル
  • 治験のコストは8億ドルから18億ドルです。
  • 患者/サイトの募集にかかるコストは、患者/サイトあたり平均40,000ドルです。

キーとなるデータを探し出し、インサイトを導き出すことは、研究者にとって重要な成功要因です。検索ベースのアプリケーション」は研究効率を高め、医薬品開発のタイムラインを数ヶ月短縮しました。 この大手製薬会社によると、達成したROIは、1つの医薬品につき2,500万ドルとのことです。

結局、望遠鏡と顕微鏡とでは、どちらがより広い視野を持っているのでしょうか?

どちらも通常では見えない世界を見せてくれます。デジタルワークプレイスとデータアクセスには、その両方が必要です。適切なタイミングで適切な情報にアクセスすることが、これまで以上に複雑になっており、それをさらに複雑にする可能性のある多くの要因が存在します。企業のコンテンツやビジネスに特化したデータのいずれにおいても、エンタープライズサーチは役立ちます。企業のデータ資産を検索し、情報に基づいた意思決定を行うための実用的なインサイトを提供する能力は、ビジネスの効率化に不可欠です。 メソッドとテクノロジーを適用することで、” レ・ミゼラブルからの引用- Even the darkest of night will end and the sun will rise.(夜の暗闇も終わり、太陽が昇る。)"ことを確信することができます。

望遠鏡vs顕微鏡

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