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  • Crystal Breeder評価事例

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第4回Physichemフォーラム

以下は、過去に国内製薬企業様において、結晶多形スクリーニング 結晶化観測装置 Crystal Breederの性能をご評価いただいた際の事例です。

評価の目的

次の精度を確認することを目的とし、評価が行われました。

評価目的
  1. 溶解度曲線の作成
  2. 結晶多形スクリーニング

Crystal Breederは、数mlレベルの少量溶液を用いての、開発初期フェーズにおける晶析スクリーニングが可能な装置です。
業務での利用目的に即した評価は2. の方ですが、結晶多形の探索には装置のバイアル内で、望ましい溶解度プロファイルに従って溶解していることが前提となります。そこで1. についても評価が行われました。

評価1:
溶解度曲線の作成-Carbamazepine form III

溶解度が既知であるCarbamazepineをサンプルとし、以下異なる2条件(RUN002とRUN003)の溶液を用いました。

RUN サンプル溶液の
調整濃度
溶液加熱速度 溶液撹拌速度
002 100 uL 1 ℃/min 800 rpm
003 100 uL 3 ℃/min 800 rpm

RUN2とRUN3それぞれ、異なる溶液温度4ポイントにおける溶解度プロファイルを示したのが以下グラフです。これら溶解度の測定値は、機器に付属した専用の解析ソフトウェアで記録、出力されます。

1 ℃/min
temp. [℃] solubility [mg/mL]
26.8 10.4
42.7 19.1
51.2 29.9
60.6 39.2
1 ℃/min
3 ℃/min
temp. [℃] solubility [mg/mL]
25.9 10.5
43.4 20.3
55 30.5
59.7 39.4
3 ℃/min

Crystal Breederで測定されたcarbamazepineの溶解度と、既知文献情報に報告されている溶解度(以下、①と②)とを比較した結果が以下のグラフとテーブルです。

グラフ
temp. [℃] solubility [mg/mL]
CB 1℃/min CB 3℃/min paper ① paper ② 目視
-5 2.1 2.4 2.9 3.1  
0 2.8 3.1 3.7 3.8  
5 3.6 4.0 4.7 4.8  
10 4.6 5.1 5.8 5.9  
25 9.5 9.9 11 11 8.6 - 10
40 18 18 19 19 14 - 18
50 27 27 27 26 22 - 27
60 39 38 37 36 32 - 37
70 55 53 51 48  

① Kyungho Park et al. Cryst. Growth Des. 2003, 3(6), 991-995
② Behme, R, J et al. J. Pharm. Sci., 1991, 80(10), 986-990

[結論]

当評価の結果より、Crystal Breederによる溶解度測定結果は、は従来の測定方法による結果と比較して大きな差異は見られず、有意に一致するものと考えられます。

評価2:
溶解度曲線の作成- Paracetamol form I

溶解度が既知であるParacetamolをサンプルとし、以下異なる4条件(RUN009~RUN012)の溶液をバイアルに設置しました。
ここでは、粒子の粒度が均一なものと多様性を持つ両方のサンプルを用いて、溶解度プロファイルの差異を測定することを目的としています。

RUN サンプル溶液の
調整濃度
溶液加熱速度 溶液撹拌速度 備考
009 100 uL 3 ℃/min 800 rpm  
010 100 uL 1 ℃/min 800 rpm  
011 100 uL 3 ℃/min 800 rpm 篩にかけた
サンプル
012 100 uL 1 ℃/min 800 rpm 篩にかけた
サンプル

RUN009とRUN012それぞれ、異なる溶液温度4ポイントにおける溶解度プロファイルを示したのが以下グラフです。これら溶解度の測定値は、機器に付属した専用の解析ソフトウェアで記録、出力されます。評価結果より、篩にかけたサンプルの方が、ノイズ(グラフ中で波線が多い場合)が少ない結果が得られると考察しました。

1 ℃/min
1 ℃/min
3 ℃/min
3 ℃/min

1 ℃/min(篩にかけたサンプル)
1 ℃/min
3 ℃/min(篩にかけたサンプル)
3 ℃/min

1 ℃/min
temp. [℃] solubility [mg/mL]
22.9 101
38.9 131
43.7 152
56.1 180
3 ℃/min
temp. [℃] solubility [mg/mL]
28.6 99
38.6 130
59.3 179

1 ℃/min(篩にかけたサンプル)
temp. [℃] solubility [mg/mL]
33.7 104
44.5 140
53.7 162
61.4 180
3 ℃/min(篩にかけたサンプル)
temp. [℃] solubility [mg/mL]
37 113
55.3 167
67.4 188

Crystal Breederで測定されたParacetamolの溶解度と、既知文献情報に報告されている溶解度(以下、①と②)とを比較した結果が以下のグラフとテーブルです。

グラフ
temp. [℃] solubility [mg/mL]
CB 1℃/min CB 3℃/min paper ① paper ② 目視
-5 41 46 50 43  
0 48 52 56 49
5 54 59 62 57
10 62 66 69 65
25 88 91 93 94 77 - 100
40 122 122 122 131 100 - 125
50 149 145 145 161 143 - 167
60 180 172 169 196 167 - 200
70 215 202 196 235  
① Roger A. Granberg et al. J. Chem. Eng. Data, 1999, 44, 1391-1395
② Yongjin Yi, J. Chem. Eng. Res, 2005, 44, 5427-5433
[結論]

当評価の結果より、 Crystal Breederによる溶解度測定結果は、は従来の測定方法による結果と比較して大きな差異は見られず、有意に一致するものと考えられます。

評価3:
結晶多形スクリーニング sulfathiazole

5つの結晶多形が存在することが既知である、sulfathiazoleをサンプル化合物として、Crystal Breederを評価しました。 Sulfathiazoleと16種類の有機溶媒に、Crystal Breederの各バイアルに設置し、懸濁、加温しながら化合物を完全に溶解しました。その後、徐々に冷却しながら結晶が析出した場合、XPRDで構造多形の解析を行いました。

イメージ

サンプル化合物:
スルファチアゾール
(5つの結晶多形の存在が確認されている)

結晶化:
冷却法
(加温で完全に溶解させ、その後冷却して結晶化)

化合物を16種類の有機溶媒に懸濁させる
65℃まで加温し、化合物を完全に溶解
溶液を-1℃/minおよび-10℃/minで0℃まで冷却し、析出した固体をXRPDで評価

初回は、仕込み濃度30 mg/mLで65℃まで加温したところどの溶媒にも溶解しませんでした。そこで、仕込み濃度を10 mg/mLに下げた結果、6溶媒に溶解しました。

仕込み濃度 30 mg/mL
3mg/ 100uL

→ 65℃で全溶媒に溶けない
仕込み濃度 10mg/mL
1mg/ 100uL

→ 65℃で6溶媒に溶解する

6溶媒に対して、それぞれ異なる冷却速度(-1゜C/minと-10゜C/min)にて結晶多形析出を観測したところ、溶媒ごとに異なる多形(以下テーブルのform)と析出温度が観測されました。

Form IVは、densityルールによると、常温で最も安定した多形です。

form IV > III > II > V > I

Bakar et al., Int. J. Pharm., 414 (2011), 86窶骭€103

結晶化法 form
従来の測定方法 III + IV
Crystal Breeder(冷却法) I? II III IV V
[結論]

従来の測定法では、2種類の多形しか析出させることができなかったが、Crystal Breederを用いた冷却法では、さらにもう3種類の多形を析出、観測することができた。Crystal Breederを用いることで、複数の条件が同時並行して簡便にスクリーニングでき、効率良く結晶多形を探索することが可能と考えられる。

評価4:
Avantium Crystallizations systems: Webinar Discovery new co-crystals - April 18th 2013

2013/05/15に公開
In collaboration with Joop ter Horst from the Technical University of Delft, Avantium Crystallization Systems organized the webinar Discovery of new co-crystals

In this webinar we present how to screen for new co-crystals using saturation temperature measurements. It will be shown that solution compositions having the same stoichiometric composition as the envisaged co-crystal do not necessarily result in co- crystal formation. The right compositional region for co-crystal discovery is mainly governed by the pure component solubilities of pharmaceutical and co-former. Using the understanding of ternary phase diagrams and simple pure component solubility measurements an estimate can be made for the right solution composition. This speeds up the screening procedure, increases success rate and avoids the failure to discover co-crystals

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