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製品トピックス2017/12/12

化合物管理者のみなさまへ「生物学的サンプルがあなたの研究に費やす時間を台無しにすることは避けなければなりません!」

投稿日:2017年10月20日

原文:
https://www.titian.co.uk/titian-news/compound-managers-why-you-shouldnt-let-biological-samples-spoil-your-day/ window open

生物学的サンプルを用いたスクリーニング に適用される自動化

一般的に化合物管理者は、極めてハイスループット用のプレート調整のプロセスなどを管理するために、自動化とロボットのアプリケーションに非常に精通しています。 対照的に、生物学的サンプルの管理は、ロースループットで、より多くの手作業を必要とします。 しかし、この傾向は徐々に変化し始めており、生物学的サンプルにも、ハイスループットのプロセスが適用されるようになってきています。

そこで、サンプル管理の自動化に経験豊富な化合物管理者は、あなたの専門知識が求められているかもしれません。 中には、自動化の潜在的拡大に向けて積極的に貢献したいという化合物管理者がいるでしょう。しかしたいていの化合物管理者は、自動化がすでに進んでいる化合物管理業務から、バイオロジストや生物学的サンプルを隔離しておきたいと考えるでしょう。必要とされる処理は類似しているものの、生物学的サンプルは重要な点で異なっています。

Titianのあるお客様企業の化合物管理グループでは、次のような状況に直面しました。その企業ではソフトウェアMosaicを使用しており、化合物を管理しプレートを調整するための、非常に効率的な自動化プロセスを運用していました。 そこに、抗体工学グループの研究者が来て、以下のように尋ねました。

「皆さんは化合物を用いて、四六時中絶え間なくプレートを作成できています。
私たちが使用している抗体でも、同じように作成できますか?」

彼らは、いくつかの複雑なZパターン希釈系列を持つ、アッセイができるよう準備されたプレートを生成し、分析のためにActivityBaseに出力されたプレートマップを得たいと考えていました。これは、化合物管理グループが、低分子化合物コレクションに対して実施していることであり、またMosaicは複雑な希釈系列を容易に管理できるため、合理的な要望と見受けられます。 しかし検討の結果、これにはスムーズなプロセスに、スパナをかけるような障害がいくつかあると判明しました。

Mosaicを使用してプロセスをエンドツーエンドで管理するのではなく、バイオロジストはスプレッドシート、マクロ、およびデータ変換の複雑な操作を伴うプロセスに従わなければならず、また液体分注機に必要なワークリストが作成されるので、手動でActivityBaseにインポートしていたのでした。彼らは私たちに「我々は自身の経験と勘を頼りに判断して、処理している。」と言いました。彼らは、処理のチェック及び再チェック、またエラー回避のために極めて入念に行わなければならないため、比較的少数な生物学的サンプルの管理には、サンプル量に見合わない時間を費やしていることがわかりました。

「そうだ、Titianに相談してみよう!」

より効率的にサンプル管理できる余地があることを知っていた化合物管理者は、Titianが支援できる可能性を探るため、Titianに相談を持ちかけました。その結果、Mosaicを使用して既存の化合物管理プロセスに干渉することなく、抗体プレート調製プロセスを管理可能にする容易な解決策を発見することができました。

いったい、どのような課題があり、それらに対しどのように対処したのでしょうか?

課題

その1:抗体の情報が登録されていなかった

Mosaicは化合物情報登録システムと連携されていましたが、この登録システムには抗体に関する情報が登録されていませんでした。これは、このコーポレートシステムには、自動化されていないため、サンプルが多過ぎて登録に時間が掛かり過ぎるという理由からです。 しかし、それを正当化することは困難でした。30,000サンプルを用いたスクリーニングプロジェクトで一次スクリーニングをパスする可能性があるのはわずか30サンプルのみであり、残りは破棄されます。 しかし、何らかの形での登録がないと、これらのサンプルはMosaic上で可視化されないといった課題がありました。

幸いにも、Mosaicには独自の内部登録システムがあるため、顧客のシステムでこれを有効にして、企業登録システムと連携させることが解決策となりました。サンプルのスプレッドシートをMosaicにインポートすることができます。たった1回の迅速なインポートでサンプルとプレートの両方が作成され、それぞれに一意なIDが自動的に割り当てられます。これにより抗体のプレートが、化合物プレートのように処理できるようになりました。このタイミングから、全てのプロセス段階においてサンプルが正確に追跡されるようになりました。

その2:抗体には、未知の濃度のものがあった

濃度は、アッセイ後に決定される可能性がありますが、プレートマップをActivityBaseにエクスポートするツールは、有効な濃度があると見なします。そこで、Titianでは、エクスポート時のためのNull値の許可する新規設定を構成しました。この設定により、ワークフローテンプレート内で容易に選択でき、自動化されたプロセスの最後に、AutomationBuilderへのエクスポートを自動的に進めることができるようになります。

その3:サンプルが水性だった

少量の液体をピペッティングするとき、液体の特性が精度に大きな影響を及ぼす可能性があります。化合物管理グループのリキッドハンドラーは、DMSOベースの液体を想定して設定されていました。自動化されたリキッドハンドラーは、さまざまなサンプルタイプを扱うための異なる「液体クラス」の設定を持たせることができますが、化合物から水性の生物学的サンプルに切り替える際には、設定変更する必要があります。

Mosaicは、在庫内に ある全ての溶液の種類と、関連する液体の分類の情報を既に持っています。したがって、この情報は、処理実行時にAgilent社Bravoリキッドハンドラーのソフトウェアにも展開されます。このように、Bravoは、どのようなサンプルの種類に対しても、都度分注時に自動的に校正されるようになりました。
これら変更を加えた結果、化合物管理グループは、化合物プレートとともに抗体プレートを処理することができるようになり、エンドツーエンドで追跡し、アッセイ結果管理システムにも自動的にエクスポートできるようになりました。

古い言葉の言い換え:「あなたが追跡していないものを管理することはできません」

このプロセスがしばらくの間実施された後、Titianは、自動化されたプロセスを生物学的サンプルに適用できるというメリットを啓蒙するため再度そのお客様を訪問しました。その結果、これが成長しつつある領域になっていたことが判明しました。サンプル管理チームが生物学的アッセイプレートを生成し、プレートマップをActivityBaseにエクスポートするという用語が広まり、他の生物学的サンプルのプレートが到着し始めました。これらには、異なる抗体タイプおよび酵素が含まれていました。

顧客にとって明らかにメリットとなったことの1つは、スプレッドシートの操作による必要な作業を排除することで時間が節減できたことです。しかし、これが最大のメリットではありませんでした。最も重要なメリットとは、サンプルのトレーサビリティでした。 Mosaicを使用して抗体プレートを処理し、プレートマップをエクスポートすると、これらサンプルに対するエンドツーエンドのトレーサビリティが自動的に得られるようになったことです。

トレーサビリティはなぜ重要になるのでしょうか?もしあなたがスクリーニングとヒットピッキングをして薬候補を見つけ、それがどこから由来したのかを追跡できないということを繰り返しているなら、あなたはたくさんの仕事を無駄にしたことになります。そのため、これら生物学的サンプルタイプに共通する追跡されたプロセスを使用することで得られるトレーサビリティは、大きな利点でした。

化合物管理者として、生物学的サンプルの管理を依頼された場合は、どうか煩わしい問題だと考えないでください。さまざまなサンプルタイプを共通の方法で管理し、自社の知識・経験・自動化で行った投資を活用することが理にかなっているのです。

ぜひ、Titianの専門家と話をする機会を持つことをご検討ください。(CTCにご用命いただきましたら、その機会をセッティングさせていただきます。)
- サンプルを管理するより良い方法をご提案できるはずです!

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