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イベントレポート2017/7/27

CTC、2017 BIOVIA FORUMで、
ライフサイエンス分野におけるAI利用について講演

2017年6月14日(水)、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は、ダッソー・システムズ・バイオビア株式会社(以下、BIOVIA社)が主催し、東京コンファレンスセンター・品川(東京都品川区)で開催された「2017 BIOVIA FORUM」(旧アクセルリス・ユーザー・グループ・ミーティング)のプラットフォーム/インフォマティックスセッションにて、BIOVIA社製品の機械学習モジュールによるライフサイエンス分野でのAI活用について講演し、新たに取り扱いを開始した機械学習フレームワークについても紹介しました。また同会場内の展示コーナーでは、AI活用における様々なシーンで関連の深いソリューションを出展しました。

プレゼンテーション
演題:ライフサイエンス分野でのAI利用

登壇するCTC 高橋 妃呂登壇するCTC 高橋 妃呂

演者
CTC ライフサイエンス事業部 技術開発部 技術第1課 高橋 妃呂

今回のBIOVIA FORUMは、2017年4月1日付で旧CTCライフサイエンス株式会社(以下、旧CTCLS)が伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)に合併してから初の開催でした。そこで、BIOVIA社製品の主管技術者である高橋は、長年に渡り製品・サービスをご提供してきた多くのユーザー様に向けて、先ずCTCの会社概要やライフサイエンス事業部の組織体制を説明しました。続いてAI(人工知能)の歴史や、製薬企業・医療現場におけるAI普及の状況を述べた後、BIOVIA社製品と連携したAI活用事例について発表しました。

製薬企業・医療現場においてAI活用に高まる期待

旧CTCLSは、旧MDL Information Systems社時代含めBIOVIA社製品を軸とした、厚みのある創薬研究領域のソリューション提供に定評がありました。しかし昨今の製薬企業を取り巻く環境は、医薬品開発成功率の低下や後発医薬品のシェア拡大など大きく変化しています。そのため製薬企業の事業領域は、新規医薬品の開発にとどまらず、治療中の患者様をサポートするなど、治療プロトコル全体における医療技術の提供へと拡がりつつあります。また、ICT技術の躍進により近年爆発的に、医業現場から集積されたデータが増えています。このビッグデータを解析する手段として、AI技術活用を視野に入れる製薬企業が増えてきています。そこで、旧CTCLSからCTCのライフサイエンス事業部へと組織体制を一新し、従来強みとした創薬研究領域のソリューション提供で培った豊富な業務知識を下地としながら、CTCのAIに関連する他部署と連携し、ヘルステック領域でのAI活用の推進にチャレンジしていきます。

2010年の第三次AIブーム以降、多種多様な機械学習やディープラーニング(深層学習)の新技術が開発され、幅広い業界で導入、試行されてきました。しかし、AI活用に取り組み始めた企業が、先ずは情報収集から始めようと、世界中の日進月歩で開発が進む各種テクノロジーに関する最新情報を、網羅的にキャッチアップするのは、容易ではありません。米国に拠点を置くCTCアメリカでは、様々な最新のAIテクノロジーや、それらを提供する企業を継続的に調査しています。本発表では、CTCアメリカの活動の一環として得られた海外最先端のAIテクノロジーのトレンドについて、AIの定義から紐解きながら詳細に解説しました。

AIは、GoogleやAmazonなどBtoC向けサービスで身近になりつつあります。しかし、音声認識の技術を取り入れている海外の病院の事例や、製薬企業が機械学習アルゴリズムを構築し、診断結果や服薬状況などの情報をアプリに登録することで適切なアドバイスを提供するメディカルアシスタントサービスを提供する事例は、製薬企業・医療現場でも、AIが実用化されている時代の到来を感じさせるものでした。

AIアプリケーション構築の工程

AIを業務で活用するには、いくつか踏むべき必要な工程があります。それには、①PoC(Proof of Concept: AI導入前の実証実験)→ ②機械学習/AIエンジン開発 → ③実装・自動化の大きく分けて3段階あります。中でもPoCは、AIを実運用する前に、課題に対し適切なデータセットやアルゴリズムが選択できているかを判断し、AI活用の効果を検証・評価するため、極めて重要な工程となります。

本発表では、CTCが実施した「薬剤名や構造式を入力とし、予測した代替疾患候補を出力するドラッグリポジショニングプロトコル」を目的としたAIアプリケーション構築の検討例をご紹介しました。学習データソースとして公共DB・商用DBから薬剤と疾患の関連情報を抽出する段階では、様々なデータソースの一つとして、ライフサイエンス事業部主管製品である低分子医薬系化合物情報統合Webデータベース「GOSTAR」を利用しました。

図:AIアプリケーション構築の工程:アプリケーション例概要図:AIアプリケーション構築の工程:アプリケーション例概要

AIアプリケーション実行プラットフォーム

CTCではAIアプリケーションのプラットフォームとして、ハードウェア・ミドルウェア・ソフトウェアの全てのレイヤーにおいて、強力なソリューションを提供しております。
先ず、AIに用いる学習データの作成支援にサイエンティフィックワークフロー・自動化ツール「BIOVIA Pipeline Pilot」が役立ちました。BIOVIA Pipeline Pilotを用いると、膨大なデータに含まれる表記揺れの統一や不要データの削除などのデータ整形処理に加え、ロジスティック回帰分析による学習データのパラメータ確認が効率的に行えました。

次に、高度な学習モデルを迅速に構築可能な機械学習/深層学習フレームワーク「GRID社ReNom」を紹介しました。ReNom は、活性化関数の選択やクラスターやGPGPU(General-purpose computing on graphics processing units; GPUによる汎用計算)への処理発行など様々な専門知識を要する機械学習に対して、要素技術を部品化した機械学習フレームワークです。
部品化された要素技術を組み替えることで、学習⇔精度の評価サイクルをスピードアップできるだけでなく、構築した学習モデルを「エッジ」と呼ばれるPCやIoTデバイスのクライアントデバイスに容易に展開できるのが特長です。CTCでは、お客様のAI開発における課題解決の豊富な経験を持つエキスパートが多数存在する、ReNomの開発元GRID社から知見を得ながら、AIの学習作業を支援します。

最終的に、機械学習で得られた結果はBIOVIA Pipeline Pilotを駆使した可視化技術により、適切な視覚表現に置き換えられます。遺伝子・分子・薬剤・疾病の互いの関係性の強弱を線の結びつきや色で表現した図、また時系列や特徴量に従ったプロットなど多彩な表現が実現します。このような可視化が、データに隠れた真の価値を探し当てるヒントになります。

図:BIOVIA Pipeline Pilotによる多彩な可視化表現図:BIOVIA Pipeline Pilotによる多彩な可視化表現

更に、大量のデータに対する深層学習においては、膨大な計算量を処理する必要があります。CTCは、大量の並列処理の実行時間を短縮するNVIDIA社GPU搭載サーバーも販売しており、AI活用におけるハードウェアも提供可能です。

図:NVIDIA社GPUプラットフォームラインナップ図:NVIDIA社GPUプラットフォームラインナップ

AI導入検討PoCプロジェクトのすゝめ

これからAI活用に本格的に取り組む製薬企業は急速に増えていくものと考えられます。しかし、AIを実用で使えるレベルまで引き上げるための、学習用データセット準備やAI試行にはノウハウを要し、膨大な時間やコストが掛かると予想されます。そこで、将来AI活用をお考えの製薬企業向けに、より効率的なPoCを支援する「PoCプロジェクト」のご利用をお奨めしております。CTCのAI主管技術と創薬研究開発の業務に精通するライフサイエンス事業部のエンジニアが、PoCを担当します。まずはヒアリングにより、お客様が目指している要件整理のお手伝いから始め、お持ちのデータセットを確認させていただき、プロジェクトの目的やスケジュールについて合意が取れてから、PoCプロジェクトをスタートします。まだ情報収集の段階でも、ご興味がございましたら是非お気軽にCTCまでご相談ください。

※お問合せフォームの「お問い合わせ内容」欄に、ご質問・ご希望の内容についてご記入いただけますようお願い致します。
※同業他社からのお問合せにはお答えできない場合がございます。予めご了承ください。

展示コーナー

展示コーナーでは、ライフサイエンス分野におけるAI活用に関連の深い製品を展示しました。講演で、AI利用に向けた学習用データセットに用いた商用データベースのGOSTARと、姉妹製品のバイオマーカーデータベース「GOBIOM」の操作画面をデモにてご覧いただきました。また新規医薬品開発の成功率低下に伴い、既存薬再開発に取り組む製薬企業が増えているなか、ドラッグリポジショニングを支援する受託サービスや新薬開発に特化した機械学習エンジンを利用した解析代行サービス「Computational Biology」もご紹介しました。

CTCのAI活用に関する講演後は、聴講したお客様が展示ブースに足をお運びいただき、AIに関する様々な疑問が寄せられました。「そもそもNVIDIA社のGPUがAIにどう役立つのか?」や「PoCにはどのくらいの期間が必要?」など、いずれも将来のAI活用を見据え、前向きに情報収集されている姿勢がうかがえました。

今後もCTCは、ライフサイエンス分野でのAI活用推進に貢献できるよう、グループ総合力を活かして取り組んでいきます。

製品紹介ページ

ReNom・NVIDIA GPU搭載サーバーに関する詳細については、下記のお問合せフォームよりお問合せください。

※記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
※部署名、役職名、その他データは、イベント開催当時のものです。